RCサクセションの反核ソング!
今回紹介するのは映画の紹介記事で
紹介するのは忌野清志郎さんが在籍していた
RCサクセションの「ラヴ・ミー・テンダー」
(1988年)です!
(同年発売のアルバム「COVERS」にも収録)
これはタイトルでお分かりの通り
あのキング・オブ・ロック
エルヴィス・プレスリーの有名な曲に
意訳をつけてカバーした曲であります
(同名異曲ではありません)
どんな訳詞をつけてカバーしたのでしょう
歌詞を見てみる
何 言ってんだー ふざけんじゃねぇー
核などいらねぇ
何 言ってんだー よせよ
だませやしねぇ
何 言ってんだー やめときな
いくら理屈をこねても
ほんの少し考えりゃ 俺にもわかるさ
放射能はいらねぇ 牛乳飲みてぇ
何 やってんだー 税金(カネ)かえせ
目を覚しな
たくみな言葉で 一般庶民を
だまそうとしても
ほんの少しバレてる その黒い腹
何 やってんだー 偉そうに
世界の真中で
OH, MY DARLING, I LOVE YOU
長生きしてえな
LOVE ME TENDER, LOVE ME TRUE,
NEVER LET ME GO
OH, MY DARLING, I LOVE YOU
だまされちゃいけねぇ
プレスリーのラブソングが反核ソングに!
いやぁ何とも大胆な訳詞ですね!
(清志郎さん自身は替え歌とも
発言されているのですが)
見事に変身させてしまいました!
また「何 やってんだー 税金(カネ)かえせ」
から「ほんの少しバレてる その黒い腹」
までの部分は「増税メガネ」なる
言葉まで出た、国民の不満が噴き出す
現在の日本の政治を思い起こさせますね
世の中のこと、政治のことに
物申すのは初期のロック音楽の精神を
継承していて、まさにロックな曲ですね
(まぁフォークも政治的なことを
歌っていましたけど)
しかも驚きなのがこの内容の歌が
シングルとして発売されたこと!
いまだったら絶対にあり得ないですね
昭和を知らない世代の私からすると
軽いカルチャーショックを受けます
楽曲を聴いてみる
それでは楽曲を聴いてみましょう
まずはRCサクセションの方から
続いて参考までにプレスリー版も
RCサクセションのカバーですが
前半は原曲に寄り添った
優しい静かなサウンドですが
後半で激しいバンドサウンドが
飛び出すところがきちんと
カバーになっているなぁと感じます
原発や政治に物申しているので
優しいアレンジから
バンドサウンドになるのは
原曲に敬意を示しつつも
歌詞の内容に合ったサウンドに
なっていてとてもいいと思います
このようなカバーも「アリ」なんですね!
アルバム「COVERS」について
この曲が収録された「COVERS」という
ローリング・ストーンズといった
海外アーティストの名曲を
歌詞に意訳してカバーした挑戦的でかつ
いま聴いても斬新な手法が取られた
異色のカバーアルバムです
自分たちのオリジナルではなく
カバー曲で自分たちの歌いたいことを歌う
前代未聞のことですよね!
清志郎さんの発想に脱帽です
オリジナル曲ですと
タイトルでどんな内容の歌か
多少の想像がついてしまいますが
有名曲のカバーだとタイトルでは
わからず「この曲はどんな歌に変えて
いるのだろう?」という想像する楽しみが
掻き立てられてワクワクします
収録曲は以下の通りです
➀明日なき世界
②風に吹かれて
③バラバラ
④シークレット・エージェント・マン
⑤ラヴ・ミー・テンダー
⑥黒くぬれ!
⑧マネー
⑨サン・トワ・マ・ミー
➉悪い星の下に
⑪イマジン
古い洋楽が好きな方ならすぐにわかる
あまりに有名な曲ばかりです
私もクラシックロックや
オールディーズが好きなので
このアルバムの選曲は堪らないですね
アルバムのゲスト参加者について
このアルバムにはさまざまな方が
ゲスト参加しているのですが
④では演歌歌手の坂本冬美さんが
ゲストボーカルとして参加しています!
冬美さんと清志郎さんの縁については
過去の記事で少し触れましたが
3人組バンドを組んでアルバムを出し
コンサートも行ったこともあるのですが
冬美さんは自分のどこがよくて
使ってくれたのか聞いていないことが
心残りだと語っています
え~冬美さん、なぜ肝心なことを…
と思ってしまいますが(笑)
歌入れのときに「いーね」「うまいなぁ」
といったことを言われたと自ら綴っているのに
なぜ気がつかないの?冬美さん!
魅力を買ってくれたからに違いないでしょう
美川憲一さんも冬美さんのことを以前TVで
「売れると思ってたわよ」「目が肥えてるのよ」
と発言されていました
でも「私は清志郎さんに才能を買われたのよ」と
鼻にかけない謙虚な冬美さんに好感を
持ってしまいます
冬美さんは私の好きな歌手であり
また憧れの女性でもあるので
才能を買ってくれた清志郎さんには
感謝の気持ちでいっぱいです
ちなみに先述の過去記事を貼っておきます
三浦友和さんも参加!
③ではコーラスとして桑田佳祐さんと
俳優の三浦友和さんが参加しています!
さらに友和さんは⑥、⑦、⑧、⑪でも
コーラス参加しているのです!
なぜ友和さんが?とお思いの方も
いらっしゃるかと思いますが
友和さんも清志郎さんと縁があるのです
友和さんはもともとミュージシャン志望で
高校ではバンドを結成していました
そしてその学校内に才能が突出したバンドが
存在していて、それが清志郎さんの
RCサクセションでした
さらに家が近所で友和さんは
清志郎さんの家に行くなどの
交流もしていました
(三浦友和著『被写体』を参照)
友和さんがたくさんゲスト参加しているのは
こういったことが背景にあるのです
このほかにもこのアルバムに関しては
エピソードが盛りだくさんなので
某百科事典サイトなどをご参照ください
そしてこのアルバムはロックファンのみならず
冬美さんファンや百恵さん&友和さんの
ファンの方にもぜひ聴いてみて欲しいですね!
というわけで曲紹介からアルバム紹介まで
してしまいましたが、このサブスク時代
アルバム単位の音楽紹介に意味はあるのか?
という心配もありますが
物心ついた少年期に90年代のCDバブルを生きて
アルバムやCDという形式への愛着が
捨てられない自分としては
どうしても紹介せずにはいられませんでした
でも今回は例外で基本的には
アルバム紹介はしない方針でいます
長くなりましたが、歌詞の内容から
一時は発売中止の憂き目にもあった
「COVERS」というアルバムを思うと
いろいろなことが歌えた昭和という時代は
自分にとってはやはり魅力的に映ります
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