昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

当時5歳の高峰秀子さんの振る舞いが可愛らしい!子ども映画➀「母」

 

映画紹介新シリーズは「こども映画」!

 

映画紹介の新シリーズは

今月に子どもの日があることに加え

子役から大女優になられ、今年で

生誕100年を迎えられた高峰秀子さんに

敬意を表する意味も込めて

子どもが主役の映画=子ども映画を

紹介していくことにしました

 

その第一弾作品はその高峰秀子さんが

5歳のときのデビュー作「母」(1929年、

昭和4年!)です!

 

監督は野村芳亭さんです

 

 

まずはストーリー紹介から

 

おおまかなストーリー

 

小さな子ども2人を残して先に夫に

旅立たれてしまった妻の朝子(川田芳子さん)

は夫の馴染みの紹介で良家に住み込み

女中として働くつもりだったが

娘(高峰秀子さん)が良家の子どもに

いじめられていることに腹を立てた兄が

良家の子どもを池に投げ飛ばしてしまい

母、長男、長女の3人は仕方なく

あるところの2階に住むこととなる

 

長男の中学受験のためにミシンの

内職をしている母はこれから

どうやって母一人で生計を立てていく?

 

また長男は無事に中学に合格するのか?

 

映画の感想

➀良家の子どもと女中の子どもの身分差に驚く

 

映画のなかで良家の子どもは

「若様」と呼ばれているのに対し

その子を池に投げ飛ばしてしまった

子どもは「召使の子どものくせに」

と怒られているシーンが

強烈に印象に残りました

 

同じ子どもなのにこんなに

扱いが違うなんて…

 

というのは戦前には華族制度があって

明確な身分制度があったから

ということくらいは容易にわかりますが

教科書で文字情報だけで無味乾燥に

教えられるのと当時の映像で当時の人の

立ち居振る舞いなどを見て

実感するのとでは大きな違いが

あるなぁと思いますね

 

こういったところが

当時の古い映画の価値であって

保存するべき必要性があり

見たい人は見られるように

しておく大切さというのを感じます

 

あとは先日憲法記念日でしたが

現在の日本国憲法になって

本当によかったなと思います

 

華族制度は廃止されましたし

選挙権も国民全員に与えられて…

(とはいっても棄権する人も

多いですが笑)

 

②子役時代の高峰秀子さんが可愛らしい!

 

おかっぱ頭の当時5歳の高峰秀子さんの

ごく自然な振る舞いがとても可愛かったです

 

母が内職で使っているミシンをいじくったり

墨で女の子絵を描いているときに

墨が跳ねて顔を汚してしまったり

子どもらしい自然な振る舞いが

ちょこっと深刻な話に癒しをもたらして

いるようなきがして微笑ましく

愛らしかったです

 

③キャストを見て思わず胸が躍った(笑)

 

キャスティングのところで

戦前に活躍された俳優さんの名前が

次々と映し出されるところで

思わず胸が躍ってしまいました

 

出雲八雲さんや吉川満子さん

河村黎吉さんなど…

 

とてっも贅沢な配役の豪華な映画です

 

私が感じた疑問

高峰秀子さんに演技指導はあったのか?

 

私が映画を見ながら思った疑問なのですが

高峰秀子さんに果たして

演技指導のようなものがあったのか?

ということです

 

ミシンをいじくるシーンは

高峰さんがミシンを見てそのような

行動に自然と出たところを

カメラがとらえたのか

それともそういう指示をだしたのか?

 

墨でお絵描きする場面は

お赤き道具を用意して

「さぁこれでお絵描きしててね」

と言って墨が跳ねたのは

シナリオにはないハプニングだったのか?

 

とても気になるところです

 

主演女優・川田芳子さんについて

 

高峰秀子さんの母親を演じた女優さん

川田芳子さんのことが気になったので

ちょっと調べてみました

 

この方は芸者出身で

また新派の女優として

舞台に立った経験が多く

映画の前に舞台をたくさん

踏んでおります

 

かつて映画は歌舞伎からの流れで

女性の役も男性が女形として

演じていましたが

それが映画はクローズアップがあり

のどぼとけなどが映ってしまうから

女性が演じないといけないだろう

ということで栗島すみ子さんなど

女優さんがたくさん誕生していたときに

女優さんになられて

1920年に松竹の映画女優さんとして

デビューされているので

舞台のキャリアも含めると

「母」のときはけっこうなベテランさんです

 

だから母親役がしっくりくるんですね

この「母」以外でも母親役で活躍された

ようです

 

最後に

 

私はこの映画をDVDで見たのですが

そのDVDがサイレントなのに

御親切にも音楽付きで

さらに澤登翠さんの活弁付きで

何とも贅沢な気分を味わえました

 

サイレント映画の音楽付き

活弁付きの上映会は東京の

名画座さんなどではやっているのですが

私の住む地域はシネコンしかなく(泣)

そういった上映会は見られないので

ありがたいDVDでした

 

さらにそのDVDには映画評論家の

故・佐藤忠男さんの詳しい解説付きで

映画理解の助けになります

 

しかし佐藤さんが詳しく解説して

しまっているため、DVD鑑賞を

楽しみにしている方の邪魔をしないように

佐藤さんが解説で触れているようなことは

感想には書きづらくて

今回その点は書きませんでした

 

というわけで少々薄っぺらい

映画紹介になってしまいましたが

今回はこれにて終了です