前回からの続きです
最終回となる今回は
私が思う高峰秀子さんの魅力・すごさ
について書いていこうと思います
私などが書くのは畏れ多いですが
評論家さんを目指さず背伸びせずに
あくまでも平凡な人間として
ただの後追い世代からみた高峰さん
という文章を書きます
高峰秀子さんの魅力・偉大さ

(2024年4月~5月にかけて行われた高峰秀子さんの展覧会のポスター)
スターでもあり演技派でもある女優さん
私などが高峰さんについて書くのは
ちょっと畏れ多いと思ってしまいます
もう偉大過ぎるからです
女優さんとしてはスターでもあり
演技派でもあるという点が
まずはすごいと思います
スターと演技派を両立させてしまう
女優さんはそう多くはないと思います
通常はスターか演技派か
どちらかに分類されるものと思います
例えば私の好きな原節子さんは
スターではあっても役柄はそれほど
幅広くなく、演技派とは言われません
演技は上手いのですけどね
一方、杉村春子さんは演技派ではあっても
スター女優と言われているのを
聞いたことがありません
高峰さんは戦時中は多くの若い兵隊さんが
軍服の胸ポケットにプロマイドを
忍び込ませたり
主役を張るスターでありながら
演じる役は「二十四の瞳」の大石先生のような
心優しい女性から成瀬巳喜男監督作品で
演じている気性の激しい女性であったり
またコメディエンヌにもなれますし
とにかく幅がとてつもなく広いです
しかも子役時代から「天才」と呼ばれ
大人の女性になってもスターであり続けた
このような女優さんは稀有な存在です
またいかに人気スターであったかを
物語るのは「秀子の応援団長」や
「秀子の車掌さん」といった
映画のタイトルに高峰さんの名前がつく
作品があることですね
このような俳優さんは数少ないですよね
「チャップリンの○○」ですとか
「ひばりの○○」ですとか
最初に見た「浮雲」での存在感に震えた
私が初めて高峰秀子さんの映画を見たのは
当時大学生だった私には「腐れ縁」
といのがわからず、映画の内容には
まったくついて行けませんでしたが
高峰さんの凄み、圧倒的な存在感には
衝撃を受けました
「何だかよくわからない映画だけれど
この女優さんすごすぎる!この迫力は
一体何なんだ!」と、高峰さんの
演技には強烈な刺激を受けました
このような女優さんは見たことがない
とすら思いました
その後、「二十四の瞳」などで
まったく違う演技を見て
見れば見るほどにそのすごさに
驚かされるのでした
自伝本を読んで文才にも舌を巻いた
高峰さんは女優業だけでなく
文筆業、エッセイストとしても
才能を発揮しました
私は同じく学生時代に自伝本
『わたしの渡世日記』を読みましたが
その巧みな文章力にも舌を巻きました
それから物事や世の中への観察眼も
鋭いものが感じられました
名言と言えるような言葉も散りばめていて
まるで哲学者のようだとも思いました
自伝を読むとわかりますが
「天才子役」として幼少時から
女優として引っ張りだこで
学校にはほとんど行っていないにも
関わらずです
ご本人は「耳学問」といって
大人たちの会話から多くを学んだと
語っていますが、それにしても
普通の人にはできないことだと思います
高峰さんは自頭がいいのだと思います
『高慢と偏見』で知られるイギリスの
女性作家ジェーン・オースティンも
学校には行っていなかったといいますし
アインシュタインさんも学校での
成績は悪かったようですし
となると学校っていったい…
なんて考えてしまいますが
やはり多くの凡人には学校に行く
行かないは別として基本的な教育は必要で
それがなくてもすごくなれるのは
ごく一部の天才だけなのだと思います
歩まれた人生も映画や小説のようにドラマチック!
自伝を読むと女優さんとして
戦前・戦中・戦後という激動の時代を生き
養女としてもらわれたり
東海林太郎さんに実の子のように可愛がられたり
あちこちと振り回され
家族や親族からお金をたかられたり
未だ少女なのに家族の存続が
彼女の肩にかかったり
戦争を体験したりという
まるで小説や映画のような壮絶な人生を
歩まれたなぁと思いました
着物や絵画にも造詣が深く高い美意識を持った方
高峰さんは着物にも詳しく
映画では衣装担当としても
クレジットされていたりもします
また絵画も書いていて
1948年から文化人グループ
チャーチル会に入って1950年には
日本橋三越での文化人余技展に
「緑衣」を出品して4700円の売値が
付けられたこともあり
また画家の梅原龍三郎さんとの
交流もありました
(キネマ旬報社『日本映画俳優全集・女優編』を参照)
天は人に何物でも与えることが
あるのですねぇ
私の「女優観」を覆した1人
女優さんというのは華やかで
一部の選ばれた人だけがなるもの
というのが昔抱いていた女優さんに対する
イメージだったのですが
高峰さんを始め原節子さんなど昭和は
各々の事情で女優さんになりたくて
なったわけではないという女優さんの
なんと多いことか!
それもそのはず高峰さんや
原節子さんが女優になった時代は
俳優さんは「河原乞食」だなんて
言われていて、低く見られていた
職業だったのですからね
私のような世代の人間からすると
とても信じられないことですけど
それから俳優さんの地位が向上したのは
時代の移り変わりもあると思いますが
高峰さんをはじめとした先達の
努力もあったのではないかと想像します
高峰さんの展覧会に行って残念だったこと
私は今年の4月から5月まで
東京タワーで行われた高峰さんの
展覧会に行ってきました
高峰さんの愛用していた食器や小物
さらには高峰さんと旦那さんの
松山善三さんの食卓が再現されていて
高峰さんの人生や美意識に
触れることができてよかったのですが
とても残念なことが1つありました
それは受付でお客さんと
会場のスタッフさんの間で交わされていた
何気ないやり取りなのですが
お客さんが「学生料金もあるのね~」
というとスタッフさんが
「そうなんですけどまだ学生さんは
1人も来ていないんですよ。知らないから」
と言ったときにショックを受けました
学生さんが1人も来ていない…
知らないからと…
高峰さんを尊敬する人は
こんなにもたくさんいらっしゃるのに!

これも展覧会会場に貼ってあった
ポスターなのですが
お名前を見るとベテランから大御所の
芸能人の方が中心ですが
私は高峰さんの偉大さをこのような
世代の方だけの記憶に留まらせたくは
ありません
若い方たちにもぜひ知ってもらって
後世に語り継がれて欲しいです
高峰さんはそれだけの価値のある
偉大な女優さんですから
というわけで少女時代から今回の記事まで
全6回にわたって高峰さんの
記事を書いてきたわけですが
書きながら50年のキャリアのなかで
その出演映画でいかに名作が多いか
またサイレントからトーキー
モノクロからカラーといった
映画史の変遷を目撃してきたか
ということを改めて知り
高峰さんの映画を見ることは
日本映画の黄金期の名作に触れることにも
日本映画の歴史を知ることにも
つながるのだなぁと思いました
ちなみにこのあとも生誕100年記念の
展覧会が予定されていますので
ご興味のある方は足を運んでみてください
というわけで高峰秀子さんの記事は
今回で終了となるわけですが
高峰さんの活躍した時代を知らない
後追い世代の書いた駄文であることを
どうかお許しください(笑)
rakuten:mottainaihonpo-omatome:10311802:detail


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