昭和寅次郎の昭和レトロブログ

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ただの刑事ものではないサスペンスにドキドキ!冷房なしで過ごせた昭和の夏映画②「張込み」

 

冷房なし夏映画第2弾は松本清張原作映画!

 

小津安二郎監督の「東京物語」の続く

冷房なし夏映画第2弾はいまなお

TVドラマ化され愛され続ける松本清張さん

原作の映画「張込み」(1958年、

野村芳太郎監督)です!

 

普通なら「ミステリー映画」などの括りで

紹介するところをそうしないのが

このブログの変なところです(笑)

それではまずはストーリーから

 

おおまかなストーリー

 

下岡(宮口精二さん)と柚木(大木実さん)の

2人の刑事は質屋殺しの共犯・石井(田村高廣)を

追って横浜駅からはるばる佐賀へと

汽車で向かった

 

旅館の2階から石井の愛人で

銀行員の妻のさだ子(高峰秀子)の家を

張り込んで昼夜見張りを続けるが

4日、5日、6日と経っても石井は現れず

さだ子の外出を尾行しても

石井に会いに行くことはなかった

 

そうしているうちにある日

さだ子がハンドバッグも持たずに

出かけて行った

 

「石井に会いに行くんだ!」と

直感した柚木は急いで尾行を開始する

 

さだ子はどこへ向かうのか

石井を逮捕することはできるのか

 

映画の感想

➀窓をずっと開け放したままで暑さ凌ぎ!

 

冒頭の汽車のなかから暑そうです

一応扇風機は1台回っているのですが

それでも大木実さんは汗が滲んでいます

 

東京物語」同様うちわが活躍していて

仰ぐ乗客の姿がたくさん

 

大木実さんはしょっちゅうハンカチや

タオルで汗を拭います

 

張込み中は終始ランニングシャツ姿で

たくましい腕は汗でテカテカ(笑)

 

そして張込み場所の旅館の2階の窓を

ずっと開けっ放しにしています

 

それで暑さを凌げたのですから

随分と羨ましい時代です

熱中症軽快アラートどころか

熱中症という言葉すらなかったでしょうし

四季の移り変わりも味わえたのでしょうね~

 

また宮口精二さんは雷雨(夕立?)が来たときに

「これで今夜は過ごしやすくなるかな?」

と言いいます

 

酷暑の気候では雷雨が来ても

涼しくなったりしませんよね?

夜も熱帯夜で熱中症に要警戒ですよね?

嗚呼…(溜息)

 

また宮口精二さんは「何て楽な張込みだ」

とすら言います

 

蚊が何匹も飛ぶなかを張り込んだり

凍てつくような寒さのなかを張り込んだり…

 

刑事の仕事は大変ですねぇ…

 

②移動距離・時間が長い!

 

東京物語」も尾道から東京という

新幹線のない時代に移動が大変な

映画でしたが今回の「張込み」も

すごいのです!

 

横浜から乗り込んで浜松、名古屋

大阪、博多などなど何駅も出てきて

乗り換えを経て佐賀にたどり着くわけですが

この乗車時間は何と約24時間だそうです!

 

川本三郎著・筒井清忠著『日本映画

隠れた名作』を参照)

 

これだけ長時間乗車していたら

お尻などが痛くなりそうですし

何より疲れますよね…

 

その後新幹線が開通したのはよかったです

 

でも昭和フェチの私としては

汽車の旅にも憧れますね

この映画ほどの長旅は

ご免被りたいですが(笑)

 

③終盤まで緊迫感がないが退屈しない

 

この映画は張込みをしても

何日間も進展がなく終盤まで

緊迫感がありませんが

退屈することがありません

 

それは旅館の浦辺粂子さんが

面白かったり、本筋とは関係のない

細かいところにユーモアが

あったりするからだと思います

 

でも前半であまり物語に起伏がない分

終盤の尾行のサスペンス劇で

一気にドキドキモードにもっていく展開は

一層映画を盛り上げる効果を

発揮していると思います

 

高峰秀子さんの贅沢な使い方!

 

この映画では殺人犯の愛人役の

高峰秀子さんが序盤から

2人の刑事による張込みで

行動を昼夜監視されるわけですが

旅館の2階からの眺めしか

ほとんど映らないため

アップが全然ありませんし

ごく平凡な主婦を演じており

演技の発揮のしどころもありません

 

途中までは高峰さんほどの大物女優では

ちょっともったいないのでは?

と思ってしまうくらいなのですが

これが終盤になるとようやく

高峰さんで正解だったとわかります

 

あぁ、この演技を引き出したくて

高峰さんを…とネタバレになってしまうので

詳しくは書けませんが

その起用に納得しますが

短時間のために使うとは何と贅沢な!

と思います(笑)

 

(旅館の2階から覗く高峰さんの自宅)

 

この映画のエピソード

➀警視庁の協力を得られた!

 

この映画の脚本を担当した橋本忍さんは

松本清張さんに会いに行ったところ

「警察のことはよくわからないから

一緒に警視庁に行きましょう」と

提案され、映画の製作には警視庁の

協力を得ることができたそうです

 

春日太一著『鬼の筆』を参照)

 

これは映画の映画の完成度に

大きく貢献したことでしょう

 

山田洋次監督が助監督を務めている

 

クレジットには出ませんが

この映画の助監督はあの

山田洋次監督が務めているそうです

 

山田洋次監督が川本三郎さんに語った

ところによると空撮を使ったりして

佐賀県で会社の上層部と合わないで

済むことをいいことに

野村芳太郎監督は予算も予定も

オーバーするとわかったうえで

じっくりと撮ったそうです

 

川本三郎著・筒井清忠著『日本映画

隠れた名作』を参照)

 

というわけで「東京物語」に続いて紹介した

「冷房なしで過ごせた昭和の夏映画」

シリーズはこの映画をもって

終わりとさせていただきます

(「東京物語」と併せて長距離移動映画

シリーズでもありましたね笑)

 

 

shouwatorajirou.com

 

また今回の「張込み」は配信でも

視聴可能ですがBS松竹東急チャンネルで

今月放送される予定です

 

www.shochiku-tokyu.co.jp

 

TVでご覧になりたい方で

BSが視聴可能な方はそちらをどうそ

 

次回は違う趣向で夏らしい映画を

紹介する予定でいます