昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

余りあるエネルギーを無軌道な生き方に使う若者たち!昭和の"立ちんぼ"映画②「青春残酷物語」

 

昭和の"たちんぼ"映画第二弾は大島渚監督作品!

 

前回の映画紹介「夜の女たち」に続く

昭和の"たちんぼ"映画第二弾は

大島渚監督の「青春残酷物語」(1960年)です!

 

 

同じ"立ちんぼ"と言っても

前回の作品とはかなり毛色の異なる映画です

 

それでは早速ストーリーから

 

おおまかなストーリー

 

ときは60年安保闘争学生運動

盛んな時代

 

桑野みゆきさんは車で家まで

送ってもらおうと中年男の車に乗るが

連れてこられたのはホテルで

無理やり連れ込まれそうなところを

川津祐介さんに助けてもらう

川津祐介さんは男から金をゆする

 

桑野みゆきさんと川津祐介さんは

互いに魅かれ合い、外で抱き合う

 

しかし川津祐介さんには

もう1人身体を重ねる中年女性がいた

 

桑野みゆきさんもほかの男性と

寝ることもあった

何とも不思議な関係だ

 

だが2人は夜遅くまで

バーでお酒を飲んだりした

学生運動で世の中と闘う学生たちを

冷ややかな目で見ながら

 

しかし遊ぶにしても何にしても

お金が必要になった

 

そこで川津祐介さんは

桑野みゆきさんと出会うきっかけとなった

ホテルに連れ込んだ中年男をゆする

この方法でお金を手に入れることを思いつく

 

桑野みゆきさんも同意しさっそく実行へ

うまくいくこともあったが

相手が誘いに乗らなかったこともあった

 

そんなとき桑野みゆきさんが

川津祐介さんの子どもを

身籠っていることがわかる

川津祐介さんは堕ろせという

そのためのお金も必要なため

ゆすりを続けようともいう

 

しかしある日2人がアパートに帰ると

警官が待って入れ恐喝の容疑で

逮捕されてしまう

 

2人の運命はどうなるのか?

 

映画の感想

➀青春時代の過ごし方は大切!

 

この映画は「残酷物語」と銘打たれているように

爽やかな青春映画ではありません

 

川津祐介さんが学生運動で「安保反対!」と

叫びデモ活動をしている人たちを

冷ややかに見て、自身は桑野みゆきさんと

恋仲になり、でもそれでいて中年女性の

遊び相手もおり、桑野みゆきさんも

ほかの男性と関係を持ったり

2人で結託して「立ちんぼ」をしたり

チンピラと喧嘩したり

性と暴力と非行に明け暮れる青春を送っています

 

私はこの映画を反面教師として見るのが

いいのかなぁと思いました

 

青春時代というのはその後の人生に

大きく影響する大切な時期です

と私は日々実感しているミドサー男子です(笑)

 

私から見た主演の2人は青春を

無軌道に過ごして後に何も残らない

そんな生き方をしているように思えます

 

2人のようにならないためには

何か打ち込めることを見つけて

それを一生懸命やることだと思います

 

勉強でも部活でも遊びでも

法に触れるようなこと以外は

打ち込めることがあった方がいいでしょう

 

と何だか偉そうに書いている私が

青春時代に打ち込んだのは

お勉強と読書で、惨めな青春でした(泣)

(ま、真面目過ぎる…!)

 

学校内では女性生徒から「キモイ」と言われ

あまり口数が多くなかったため

大学時代の飲み会では

「喋らない男なんてあり得ない」

などと言われて傷ついたりして

女子生徒が怖かったですね…

(女性生徒全員ではないのに…)

 

でもそのときに遊びや恋愛を

謳歌してこなかったツケがいま

回ってきています

 

ところで社会に出て周りの人がよく

ある言葉を口にすることに気づきました

もっと勉強しておけばよかった」と…

 

私もその言葉を言えるような青春を

謳歌したかったです(笑)

 

さすがに勉強や読書ばかりではねぇ…

 

②男女が結託する"立ちんぼ"がある!と発見

 

前回の「夜の女たち」とは違って

男女が結託して"立ちんぼ"をして

誘った男性からお金を奪うという

そのようなことがあったのか

という発見がありました

 

この映画を青春映画ではなく

"立ちんぼ"映画として分類した所以は

この点にあります

 

そしてこの映画の"立ちんぼ"から

私はあることに危機感を覚えました

 

③ライドシェア導入は慎重にした方がいいのでは?

 

映画「青春残酷物語」では

立ちんぼで誘った男性の助手席に乗り

ホテルまで行き、特に何もされませんが

身も知らずの男性の車に乗ると

女性は性加害を受ける可能性があるのでは?

と思いました

 

president.jp

 

 

上の記事によるとライドシェア導入で

アメリカでは性暴力事件が多発したそうです

 

あとは上の記事には書いてありませんが

運転している人が被害にあうケースも

十分考えられます

 

タクシー不足解消のために導入を急いでいる

ようですが、慎重に考えるべきではないでしょうか?

 

川津祐介さんが無軌道な若者にピッタリ!

 

さて映画そのものの感想を

書いていきますが

川津祐介さんという俳優さんは

ちょっと不良っぽいところが出せる

松竹としては珍しい俳優さんなので

新しい松竹映画「松竹ヌーベルバーグ」の

代表的な作品に数えられるこの作品に

ピッタリどころか川津祐介さん以外に

演じられる俳優さんは松竹には

当時いなかったのではないでしょうか

 

 

桑野みゆきさんが清純派の殻を破った!

 

それまで清純な役が多かった桑野みゆきさんが

この映画では川津祐介さんとともに

性と暴力と非行に走る女学生に扮し

大胆な演技を披露しています

こちらも注目に値すると思います

 

 

佐藤慶さんの悪役っぷりがいい!

 

悪役を多く演じた佐藤慶さんのヤクザは

迫力があってすごかったです

大島監督も「やくざ姿になった慶さんは

本当に怖かった」を発言している程なのです!

 

ほかの映画を見ても本物のワルのようで

確かに怖いくらいなのですが

昭和の日本映画界で大事な存在だったのでは

ないかと思います

 

いい役者さんだと思います

 

この映画のエピソード

川津祐介さんと桑野みゆきさんのラブシーン

 

川津祐介さんと桑野みゆきさんの

海に浮かぶ樹木の上でのラブシーンは

有明貯木場」という場所で撮影されたそう

 

ただし現在は埋め立てられて

もうあの場所に海も樹木もないようです

 

smtrc.jp

 

というわけで今回の紹介記事は

この辺りで終わりにします

 

学生運動安保闘争の様子も印象深いですが

ストーリーに直接関係していないので

今回は時代背景として

説明する必要はないかなと思いました

 

"立ちんぼ"映画シリーズは次回が最後です

 

参照:

雑誌「週刊現代」2022年4月30/5月7日号

宮崎祐治著『東京映画地図』