昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

"陽キャ"と"陰キャ"の分類なんてくだらない!石川さゆりさん「ほんとうのこと」から感じること

 

"陽キャ"と"陰キャ"の分類で本当のその人のことがわかる?

 

何年前からなのでしょうか?

若い人の間で人を"陽キャ"と"陰キャ"に

二分するということがまかり通っているとか

 

パッと見、明るい性格の人が"陽キャ"

大人しくて地味な性格の人が”陰キャ

と言われてしまうそうです

 

私の世代にも似たような分類

レッテル張りはありました

 

私の時代は"イケてる系"と"イケてない系"

という言い方だったかと思います

 

若いころはそのことで随分悩みましたが

大人になると実にくだらないことだとわかります

 

そのようなバッと見の判断で

その人の本当の姿はわかりません

 

今回はそのようなことを歌っている?

と私が解釈している曲を紹介します

石川さゆりさんの「ほんとうのこと」(2017年)です

さゆりさんが演歌に留まらず

さまざまなアーティストと

コラボレーションするシリーズ

「X-Cross III-」の収録曲です

 

 

歌詞を見てみる

 

それでは歌詞を見ていきましょう

作詞・作曲は里花さんという方です

 

あの人は強い人だと ぼくらは言う

涙も見せない強い人だと

でも ほんとうのことは誰にもわからない

 

あの子は弱い子だと ぼくらは言う

すぐにへこたれる弱い子だと

でも ほんとうのことは誰にもわからない

 

あいつは嫌な奴だと ぼくらは言う

ぼくらをおびやかす悪い奴だと

でも ほんとうのことは誰にもわからない

 

ほんのひとかけらの出来事で

ほんのひとかけらの言葉で

ぼくらはいったい 何をいったい

わかるというのだろう

 

あの人は幸せそうだと ぼくらは言う

何不自由なく幸せそうだと

でも ほんとうのことは誰にもわからない

 

君は

大丈夫さ、と笑っていう

何にも心配いらないよ、と

でも、ほんとうのことは僕にはわからない

 

ほんとうのことは

僕にはわからない

 

"陽キャ"に見えても無理している人がいる

 

学校の中で"陽キャ"として

明るく見える人のなかに

実はスクールカーストの最下層に

入りたくないがために

明るいグループに入れてもらいたくて

無理をして明るく振舞う人もいます

 

実際に私が経験したことですが

私と二人きりのときには

ネガティブな話もするし

特に明るい雰囲気でもないのに

そこへ明るい人がやって来ると

急に人が変わったように

調子のいい振る舞いをする

そのような人がいました

 

そのときに「あ!この人は本当は暗いのに

無理をして人によってキャラを変えて

生きている人なんだな」とわかりました

 

なので明るく見える人でも

ほんとうのことはわかりません

 

この曲の冒頭の部分はまさに

そのことを言い当てていると思います

 

大人しい人でも環境によっては陽気にもなる

 

これは私の経験なのですが

社会に出たらスクールカーストなんてものは

当然のことながらなく

職場の会議などで手を挙げて発言したときに

自分で自分にビックリしました

 

あ!何だ!学校時代に授業で

発言できなかったのは

スクールカーストの上位層の"陽キャ"の人に

遠慮して縮こまっていただけなんだ!

と気づきました

 

そして職場にはさまざまな年代の方が

いますから、年配の方に昭和歌謡のこと

などをきっかけにして打ち解けることができて

私の言うことや昭和の芸能人の

モノマネなどで笑ってくださる人もいて

「何だ!自分は人を笑わせることもできるんだ!」

ということも発見しました

 

"陰キャ"と決めつけられて馬鹿にされていても

ほかの環境では笑ったり笑わせたり

自己解放して楽しんでいるかもしれませんよ

 

ほんとうのことはわかりません

 

人間は誰しも明るい部分と暗い部分を持っている

 

私が学校を経て社会人になり

人は誰しも男性ホルモンと女性ホルモンの

両方を持っているのと同じように

明るい部分と暗い部分の両方を

持っているのではないかと思いました

 

"陽キャ"と"陰キャ"の単純な分類は多様性に反する

 

昨今、多様性が叫ばれていますが

どうも日本ではLGBTなど性の多様性のことだけに

留まっていて本当の多様性までは

考えられていないような気がします

 

人はそれぞれいろいろな性格があり

"陽キャ"と"陰キャ"の単純な分類は

人間は2種類しかいないということになり

多様性に反することだと思います

 

実にくだらないことですし

いじめや差別を助長しかねません

 

この曲の後半はSNSのことを歌っている?

 

この曲の後半

あの人は幸せそうだと ぼくらは言う

の部分はSNSのことを歌っている?

という気がしました

 

美味しそうな料理の写真を載せたり

子育てのことを綴ったり

子どもの写真を載せたり

キラキラした投稿が溢れていて

一見幸せそうに思えますが

それはそのような部分しか見せていなくて

目に見えない部分では

いろいろと苦労しているかもしれません

 

本当に表面的なことだけでは

そのひとのことがわからないと思います

 

楽曲について

 

それでは肝心の楽曲を聴いていただきましょう

 

 


www.youtube.com

 

 

ピアノ演奏にストリングスがそっと寄り添い

それに合わせてさゆりさんのキレイな

透き通った歌声が重なるとても美しい曲ですね

 

メッセージ性のある歌だと思いますが

とても優しいですよね

 

これは歌詞をじっくり聴かせるために

楽曲自体は控えめなアレンジに

敢えてしてあるのかな?

なんて思いました

 

ときに力強く、ときに優しく歌う

さゆりさんの表現力の高さに心奪われます

 

 

最後に

 

"陽キャ"と"陰キャ"の分類なんて

だれが始めたのかわかりませんが

本当にくだらないことです

 

いじめや差別につながることですし

多様性にも反することですから

一刻も早くなくなって欲しいと願うばかりです

 

 


px.a8.net