昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

昭和女優ファイル松竹編➀有馬稲子(後編)~向上心の強い才色兼備女優~

 

女優・有馬稲子の功績と魅力(女優として)

 



 

前編の続きです

 

shouwatorajirou.com

 

後編では私から見た有馬さんの魅力

女優さんとしての功績などを

書いていきたいと思います

 

有馬稲子さんの功績はまず向上心の強さで

有馬さんが映画女優として活躍していたころにあった

五社協定という所属する映画会社以外の

作品に出演してはいけないというルールに

岸恵子さんと久我美子さんとともに

「にんじんくらぶ」を結成して反旗を翻し

女優の地位向上に貢献したことでしょう

 

そういった有馬さんらの努力のおかげもあって

今の女優さんは自由にさまざまな

映画会社の作品に出演できているのです

 

当時の(いまはどうでしょうか)男社会の

映画業界という世界の中で

3人集まって立ち上がったっというのは

本当に勇気のあることだと思います

映画界から干されてしまうリスクも

当然あったはずですから

 

演技面ではまず圧倒的な美貌

大女優のオーラが目についてしまいますが

どこか憂いを帯びた表情が特徴的で

陰のある女性役が似合うなどと

当時よく言われたそうです

小津安二郎監督の「東京暮色」などが

その典型例ですね

 

しかし有馬さんは器用な女優さんで

明るい「陽」の部分も持っていて

コメディエンヌとしての才能も

遺憾なく発揮しました

番匠義影監督の「抱かれた花嫁」(1957年)や

野村芳太郎監督の「観賞用男性」(1960年)は

明るく溌溂とした女性を演じています

 

女優・有馬稲子の功績と魅力(女性として)

 

有馬さんの生き方=自分の主張を大事にする

そんな生き方は現代の女性にとって

魅力的に映るでしょうし

男性の私も尊敬の念を抱いてしまいます

 

「生意気」と言われながらも

自分のやりたい企画を何度も持ち込んだり

自身のやりたいことを主張するのは

なかなかできることではないでしょう

芯の強い女性なのだと思います

 

そういえば昔の女性は男性の三歩後ろを歩き

自己主張せずに夫に尽くす…などという

そのようなイメージはないでしょうか

 

でも以前取り上げた佐久間良子さんなど

昭和の女性芸能人はみなさんとても

自分の信条、生き方というものをお持ちで

決して気が強いということではなく

凛とした上品で気品に満ち溢れている

芯の強さも併せ持つ女性がとても多い印象があります

 

昔の女性=自己主張しないというイメージは

かつては私も持っていましたが

決してそうとは限らないのです

 

有馬さんの東宝時代の取材拒否などは

現代であれば「生意気」では済まず

お騒がせ女優としてSNSなどで

炎上してしまうかもしれません

 

逆に現代の女優さんの方が

ひょっとしたらやりたいことを

かえってやりにくくなっているかもしれません

 

あと有馬さんの魅力は何といっても才色兼備

美人過ぎるほどまでに美人で

私の職場の50代女性に有馬さんの画像を

ケータイで見せたら「この人だれ?

美人過ぎるぅ~私もう外歩けない(泣)」

などと反応したほどです(笑)

ここまで女性に言わしめるとは

本物の絶世の美女なのでしょう

男性の私から見ても若かりし頃の有馬さんは

もう溜息が出るほど美しいです

 

それから有馬さんは知性のあるところも

魅力的だと思います

大の読書家でたくさんの本を読んでいますし

だからこそ本を読んで感激すると

「これを映画化したい!」と企画を

会社に持ち込んでいたのです

 

谷崎潤一郎さんや川端康成さんらとも

プライベートで交流もありました

それくらいの本好き、文学好きなのです

 

また本だけでなく絵画にも造詣が深かったり

海外の映画もよくご覧になっていて

劇団民藝に入ったのもマリリン・モンロー

マーロン・ブランドがスターとなってからも

アクターズスクールで勉強していたことに

刺激されたことも要因としてあるのです

 

とても教養のある女優さんで

かつ自身の演技力を磨こうと努力を続けた

勉強熱心な向上心の高い方ですね

 

そういったことも有馬さんをより魅力的な

女性・女優さんにしたのだと思います

 

しかし!そんな有馬さんには

最近とても心配なことがあります

 

それはコロナ禍以降は女優としての活動がなく

徹子の部屋」などのTV出演もなく

ブログも削除されてしまって

近況がまったくわからないのです

 

これはとても心配です

90歳を超えて高齢になられたことも

あるかと思いますがコロナ禍での

「外に出るな」という声も影響してか

体調面が悪くなった可能性も否めません

心配ですね…

 

どうかお元気でいるといいのですが…

 

参照:

『日本映画俳優全集・女優編』キネマ旬報社

有馬稲子著『のど元過ぎれば有馬稲子日本経済新聞出版社

有馬稲子著『バラと痛恨の日々』中央公論社