昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

追悼!百恵さんの様々な表情や魅力を引き出してくれた篠山紀信さん

 

百恵さんを撮り続けた篠山紀信さんが…

 

先日、写真家で昭和のアイドル

南沙織さんの旦那さんでもある

篠山紀信さんの訃報が入ってきました

 

www3.nhk.or.jp

篠山紀信さんはわが愛しのアイドル

山口百恵さんを何枚も撮ったことでも有名で

レコードのジャケット写真の撮影から

写真集『百恵』の出版、さらには「激写」という

1979年にNHKで放送された番組用に撮影した

百恵さんの写真の数々が使用され

番組はDVD化されています

 

 

DVDについて

 

このDVDのジャケット写真も

おそらく篠山さんが撮影したものでしょう

篠山さんが撮影した下のシングルレコードの

ジャケットと非常に似ていますからね

 

 

ジャケットの下の方に「篠山紀信」と

書かれているのがわかるでしょうか?

 

それはともかくDVDのジャケットからは

百恵さんの色っぽさ

レコードジャケットからは

百恵さんのカッコいい表情を引き出しています

どちらもいい写真ですよね

 

ちなみにこのDVDは篠山さんが撮影した

百恵さんの写真が4500枚も(!)

次々と映し出されながら

百恵さんのナレーションで語られる

当時としては?実験的な番組だったようです

 

水着ショットもあるためか?

夜8時のゴールデンタイムで放送され

賛否を呼んだそうです

 

でも書店で週刊誌に掲載されている

いまの女性タレントのグラビア写真を

見たことのある私としては

え?これが賛否を呼んでしまうの?

と思いました

 

その手のグラビア写真は

もっと煽情的なポーズを取っていますが

百恵さんの写真にはそのようなものはなく

ただ水着ショットだというだけです

 

まぁ時代の違いなのでしょうかね

 

大の百恵さんファンである私としては

このDVDで初めて知ることのできた

百恵さんのエピソードなどもあり

百恵さんをさらに深く知ることができて

また落ち着いた百恵さんのナレーションも

とても聴き心地のいい番組でした

 

篠山さんが撮影したレコードジャケット

 

百恵さんのレコードジャケットの写真も

篠山さんが手掛けたものが多いです

そのなかから私が厳選した数枚を紹介します

 

まずはシングルから

 

 

アイドルらしい愛くるしい笑顔が可愛いですね

胸がキュンとします

 

 

こちらは少しあどけない感じがしながらも

大人っぽい表情が引き出されていますね

 

 

これは楽曲の爽やかさに合わせて?

さっぱりとした表情をしています

すごくキレイで私が特に気に入っている

ジャケット写真です

 

 

こちらはカッコいい系の百恵さんですね

楽曲もクールな百恵さんが出ていますしね

 

続いてアルバムです

 

 

すみません

こちらのアルバムはLP未入手なのです(泣)

 

それはさておき

「15才のテーマ ひと夏の経験」と

題されたこのアルバムのジャケット写真

とても15歳とは思えない色気があると思いませんか?

 

あまりにも大人びていて

30代半ばのオジサンがドキドキしていいのか?

ちょっと危ないかな?と

心配になってしまうほどです(笑)

 

これは百恵さんがすごいのか

この色気を引き出した篠山さんがすごいのか

おどらくどちらも凄いのでしょうね

 

続いてこちらのアルバム

 

 

これは写真家さんが撮りました!

という感じの芸術的な1枚ですね

 

この「A FACE IN A VISION」というアルバムは

先述のDVD化されているNHKの番組のために

作られたアルバムでして

特典として篠山さん撮影の写真集が

ついているらしいです

 

私は中古レコードショップで

このLPを見つけたことがありますが

「写真集なし」という注意書きがあり

買いませんでした

 

写真集が見たいのにぃ~と悔しかったですね(泣)

 

というように一部ではありますが

こうしてジャケット写真を見ていくと

楽曲に合わせて様々な歌い方ができて

その表現力や歌唱力もすごかった

百恵さんは篠山さんの要望に応じて

様々な表情を出せる「可愛い」ですとか

「美人」というだけでは形容できない

アイドルだったのだなと思えてきます

 

1980年には百恵さんの写真展も開かれた

 

また1980年の8月には池袋の西武デパート

百恵さんの8年間の活動を篠山さんが撮影した

写真で辿った写真展「百恵も燃え」も開催され

初日で六千人が訪れるという大盛況となったようです

 

下の写真は写真展の初日に

百恵さんがテープカットをするところです

百恵さん、どこか嬉しそうですね

 

 

私もこの写真展行きたかったなぁ…

当時の人が羨ましい限りです

 

私の場合でしたら「百恵に燃え」るだけでなく

「百恵に萌え」ると思います(笑)

 

篠山紀信さんはなぜ百恵さんをたくさん撮ったのか

 

それにしても篠山紀信さんは

なぜそれほどたくさん百恵さんを撮ったのでしょうか

 

70年代には天地真理さん、小柳ルミ子さん

そして篠山さんの奥様である南沙織さんの

新三人娘が出てきて、そこから「アイドル」

という言葉も生まれ、数年して百恵さん

桜田淳子さん、森昌子さんのトリオが登場して

もうキラ星のごとくアイドルがたくさん現れたのに

 

篠山さんは自著のなかで次のように

語っています

 

アイドルって時代を思い起こす装置なんですよ

 

百恵さんが走り続けた70年代は

60年代の高度成長期を経て

80年代バブルへ向かって

まっしぐらに進んでいました

混沌としながらも元気あふれる時代

その象徴が山口百恵でした

 

百恵さんを語れば70年代を思い起こし

70年代を語ろうとすれば

百恵さん抜きでは語りえない

 

篠山紀信著『元気な時代、

それは山口百恵です』より引用)

 

70年代と言えば百恵さん

というくらいのトップアイドルだったのですね!

 

1980年代後半生まれで

70年代は影も形もなかった私としては

ちょっとピンと来ないのですが

後追い世代の私をも魅了するのは

それだけ人々を引きつけるものが

きっと百恵さんにはあるのでしょうね

 

気になる奥様・南沙織さんの胸中

 

昭和好きの私としては篠山さんの奥様

南沙織さんの胸中が気になります

 

有名人でも気にされている方がいます

ずばりこの方です!

 

www.nikkansports.com

「今はたくさん泣いて…」とかつて同時代に

セットで売り出された南沙織さんを

これほどまでに気遣うルミ子さんに感激です!

と同時にその優しさに泣きそうになります(泣)

 

最後に篠山さんの残された言葉を…

 

最後に篠山さんが自著で書いている言葉を

紹介してこの記事を締めたいと思います

 

テレビに限らずあらゆる表現が保守化し

沈静化しています

 

時代のせいにばかりするわけにはいきませんが

元気のない表現しか生まれないのです

 

篠山紀信著『元気な時代、

それは山口百恵です』より引用)

 

確かにTVは何かと規制が多いですし

映画もいまは製作委員会方式

いろいろな企業や団体がお金を出し合って

作られているので

あらゆるスポンサーに気を配り

思い切った表現や題材を

描きにくくなっているような気がします

 

これは篠山さんの現代社会への警鐘でしょう

しっかりと受け止めたいと思います

 

篠山紀信さんのご冥福をお祈り申し上げます

 

そして百恵さんのさまざまな表情や魅力を

引き出してくださってありがとうございました

 

参照:

篠山紀信著『元気な時代、それは山口百恵です』

山口百恵 大年鑑』

 

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