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少子化対策に一夫多妻制を導入するのは要注意!時代劇(平安編②)「新源氏物語」

 

平安時代劇シリーズ第2弾は「新源氏物語」!

 

さて大河ドラマ「光る君へ」に便乗して

先週からスタートさせた

映画紹介シリーズ平安時代劇第2弾は

前回の「新・平家物語」(1955)に続き

またしても市川雷蔵さん主演映画で

ずばり「新源氏物語」(1961年、森一生監督)です!

「シン・源氏物語」ではありませんからね(笑)

(この頃映画に限らずやたらと

「シン・〇〇」というのを目にしますよね)

 

 

shouwatorajirou.com

おおまかなストーリー

 

宮廷の女性たちの憧れの的である

光源氏市川雷蔵)は左大臣の娘

葵の上を正妻とした

 

しかし亡き母・桐壺と瓜二つの

藤壺が現れ心を動かされるようになると

葵は光源氏に対して冷たくなる

 

やがて藤壺も葵も妊娠して

藤壺が一足早く男児を出産

帝は大いに喜んだ

 

ある日外に出かけた光源氏

これまた藤壺に似た少女を見つけた

名を紫といい、何と藤壺の姪だという

光源氏はこの少女を自分の理想の女性に

育てようと連れて帰ってしまう

 

こうした状況に激しく嫉妬を燃やす

女性もおり、葵を呪い、葵はもののけ

憑りつかれてしまう…

 

 

 

映画の感想

➀豪華絢爛な世界観に目が眩む!

 

前回紹介した「新・平家物語」のセットも

豪華でしたが今回は雷蔵さんがもう

スターの座についたこともあるのか

より一層セットが豪華にきらびやかになり

俳優さんのキレイなお召し物も場面ごとに

デザインが変わって、それを眺めているだけで

もう多少は満足できてしまうほどの

豪華絢爛な平安貴族の世界に目が眩み

心奪われてしまいます

 

(「新源氏物語」のセットのスケッチ画。この世界観のセットを作ってしまったわけです。制作資金はかなりかかったでしょうね。)

 

(こちらもスケッチ画です。)

 

②光と影を使った映像美が見事

 

光と影を活かした演出をする

というのはモノクロ映画で

よく見かけるのですが

この映画はカラー映画にして

その手法を使っていることに

驚かされると同時に感心してしまいました

カラー映画でもできるのか!と

 

例えば、女性がお忍びで光源氏のもとへ

やって来るときに口元だけに光が当たり

顔が見えないようにしている場面や

これから男女で情事に耽るというときに

ロウソクの灯を消すと画面が暗くなるところなど

上手いなぁと思わずにはいられませんでした

 

 

③好色なはずの光源氏が高貴な男性に見える

 

源氏物語」の光源氏は好色な男性であることは

よく知られているところですが

昭和の映画界を代表する二枚目スター

市川雷蔵さんが演じるといやらしさを感じさせず

むしろ高貴な雰囲気に満ちているのです

さすが雷蔵さんという感じですね

 

同じ時代劇スターといっても

長谷川一夫さんや三船敏郎さんや

中村(萬屋錦之助さんとも違う魅力があり

こういった貴族物がとても似合う方だな

という印象が強くなりました

 

光源氏役にこれほどピッタリくる

俳優さんはほかにいないでしょう

 

雷蔵さんの醸し出す高貴で気高い雰囲気を

中村錦之助さんの弟の中村賀津雄さんは

雷蔵さんは貴公子なんです

錦之助は早口でちゃきちゃきの江戸っ子

二人の芸風は全然違うでしょう」と

発言されています

(「雷蔵祭 初恋」劇場パンフレットより)

 

さすがは弟さんですね

お二人の特徴と違いを見事に

的確に言い当てていると思います

 

少子化対策に一夫多妻制を導入するのは熟慮が必要!

 

少し話が逸れてしまいますが

昨年の「異次元の少子化対策」以来

少子化問題がしきりに取り上げられるようになって

ネット上ではさまざまな意見が

書き込まれていたのですが

そのなかで「一夫多妻制を導入して

お金持ちのイケメンにたくさん子どもを

産んでもらえばいい」という主旨の

極端な考えもよく見かけました

 

確かにネット上には「ただしイケメンに限る

などとイケメンの男性以外を

寄せ付けないように予防線を張っている

そのような女性もたくさん見受けられます

 

こんなことやあんなことをする男性に

胸がキュンとしてしまう

でもそれはイケメンに限る

それ以外の男性がやったら絶対許せない!

などという書き込みを以前見たことのある

私としては「そんなにイケメンがいいのなら

一夫多妻制もアリかもしれないな」などと

思ってしまったこともありました

 

しかし(ようやく映画の話に戻ります笑)

「新源氏物語」を見て光源氏をめぐって

激しく嫉妬心を燃やし、若尾文子さん演じる

葵の上を呪ったりする女性を見たり

葵という正妻がいながらすぐに藤壺

気持ちが傾き、葵が光源氏のことを嫌い

「あんたの子どもなんか産みたくない」

と言う場面などを目にしていたら

複数の奥さんがいたら女性同士で

激しい嫉妬の争いが起こるだろうなぁと

想像してしまいました

 

また生まれてきた子どもの立場からすると

お母さんがたくさんいたら

どのお母さんに愛情を求めたらいいのか

よくわからなくて混乱するでしょうし

嫉妬心から産みの母親ではない奥さんから

嫌がらせを受けてしまうことも考えられます

 

あとはイケメンの男性が奥さんを平等に

愛せるかという問題や

相続の問題も出てくることでしょう

 

というようにいろいろなことを考えた結果

少子化対策として一夫多妻制を導入せよ!

などと軽々しく言ってはならないと思いました

 

アリかな?とちょっとでも思ってしまったこと

反省したいと思います

 

一方でイケメン以外の男性を

寄せ付けまいとする投稿をする女性も

問題だと思います

男女逆の場合なら炎上しているでしょうから

そういった投稿は取り締まる方向で

サイト側も運営すべきでしょう

 

でもいちばんいいのは

そういった書き込みを見ないこと

見ても相手にしないことだと思います

 

私も最近は見ないようにしていて

心の健康にいいなぁと感じています

 

でも困ったことに

現実世界の若い女性のなかにも

例えば私の職場にも休憩中の雑談で

「キラキラネームはイケメンだったら許せる」

などという方がいて…

呆れて言葉が出なかったことがあります

 

やれやれ…

 

というわけで映画の内容から

雷蔵さんの話から、まさか一夫多妻制の

是非についてまでも考えてしまうとは

思いもよらないことでしたが

現代人の心をこれほど動かすというのは

源氏物語』という小説が古典文学として

何千年もの間消えることなく

語り継がれている所以なのかなと思いました

 

平安時代劇映画紹介シリーズは

第3弾へと続きます

 

参照:

朝日新聞社『朝日グラフ別冊 決定版 市川雷蔵

雷蔵祭 初恋」劇場パンフレット

 

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