昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

市川雷蔵さんの実人生と重なるような映画!時代劇(平安編)➀「新・平家物語」

 

大河ドラマに便乗?平安時代を描いた作品を紹介

 

あの『源氏物語』の作者・紫式部

主人公にしたNHK大河ドラマ「光る君へ」の

放送が始まりましたね

 

ということで当ブログも便乗?して

平安時代を描いた時代劇映画を

シリーズで紹介することにしました

 

その第一弾作品は溝口健二監督

市川雷蔵さん主演の「シン・平家物語

ん?あ!間違えました!

「新・平家物語」(1955年)でございます

 

この市川雷蔵さんという俳優さんも

凄い方なんですよね~

いずれ紹介したいと思っています

 

おおまかなストーリー

 

ときは平安時代末期

平忠盛大矢市次郎)は鳥羽上皇の命で

西海の海賊征伐から帰還して

長男清盛(市川雷蔵)らを従えて

上皇に報告をしたが武士をさげすむ

公家たちは恩賞を与えず

労をねぎらうこともしなかった

 

藤原時信(石黒達也)はこれに

異議を唱えたため謹慎処分を受ける

 

清盛は忠盛の書面を持って時信を訪ね

そこで時信の娘・時子(久我美子)を見て

強くひかれる

 

その後清盛は商人の口から

本当の父は白河上皇だと知らされる

 

清盛は真相を家来のの家貞に

問いただすが真相ははっきりしない

 

清盛の本当の父は一体だれなのか

 

この映画の時代背景

 

この映画の時代背景は

貴族の警備的存在だった武士が

次第に勢力を持ち始め

源氏と平氏という二大勢力が台頭し

貴族階級が没落していく

そのような時代のなかで

平清盛の青年時代を描いているようです

 

映画の感想

➀セットの豪華さ・衣装の華やかさ

 

この1950年代という時代は

まだTVが普及する前で

映画は娯楽の王様だったため

資金が潤沢でこの映画に限らず

時代劇はセットが豪華で衣装も華やかで

またエキストラの数が多くて群衆が本物のようで

まるで本当にその時代の人々を見ている

そんな感覚に陥ります

 

この華やかなセットや俳優さんの着物姿を

見ているだけで、それだけで芸術品のようにも

思えてきます

 

②養子縁組に出された雷蔵さんの実人生と重なる

 

この映画のストーリー、清盛が

自分の出生の秘密について思い悩むのは

養子縁組に出されて生みの親と育ての親が

異なる雷蔵さん自身の実人生が思い出され

まるで雷蔵さんのために作られたような

映画だなぁという思いがしました

 

この雷蔵さんの養子縁組

実人生についてはまたの機会に

詳しく紹介したいなと思います

 

(映画のワンシーンから。中央で矢を放とうとしているのが市川雷蔵さんです)

 

③庶民の身なりから格差社会だったことが伺える

 

公家と武士に焦点を当てた映画なので

ついつい雷蔵さんや久我美子さんの

きらびやかな衣装や豪華なセットに

目が行きがちなのですが

庶民の姿も映し出されており

私は見逃しませんでした(笑)

 

庶民はきちんとした格好などしておらず

ボロボロの格好で

この時代も明確な身分制度があり

格差社会だったことがわかります

 

映画の冒頭のナレーションでも

貴族や寺社が租税免除の特権を持ち

国の経済は危機に瀕していたと語られ

まるでいまの日本に重なって見えます

 

また、都では放火や盗賊が相次ぎ

地方は飢饉に悩まされていたとも

ナレーションで語られます

 

江戸時代も士農工商という身分制度があり

格差がなかったのは縄文時代くらいで

戦後の日本の「一億総中流」社会は

奇跡のようなものだったのでしょうか?

 

よく年配の方が言う「昭和はよかった」

というのは人々が中流意識を持っていて

経済が右肩上がりだった時代ですよね?

 

私も「一億総中流」の昭和の時代が

好きで好きで堪らなくて

(といっても影も形もありませんでしたが)

どうしても憧れてしまうのですが…

 

この映画のエピソード

➀原作は吉川英治の連載小説

 

この映画の原作は吉川英治

週刊朝日」に連載していた小説で

まだ連載中だったにも関わらず

大映がシリーズとして映画化しようとした

第一作目で大ヒットを記録し

1954年に「花の白虎隊」でデビューした

市川雷蔵さんが演技開眼し

出世作となったようです

 

ちなみに第二作は「義仲をめぐる三人の女」

衣笠貞之助監督)、第三作は「静と義経

(島耕二監督)です

 

②溝口監督が徹底的に雷蔵さんをしごいた

 

溝口監督の映画作りというのは

まずカメラを回す前にテストをして

脚本を読み合わせるところから

始まります

 

この「新・平家物語」も例外ではなく

初めは朝から晩までテスト、テストの

繰り返しだったそうです

 

脚本の読み合わせをするときに

台詞を黒板に書きだして

溝口監督は脚本家さんを呼び出して

「この台詞はいらない」などと言って

手直しをさせます

 

そうして朝からテスト、テストが続き

なかなか撮影に入らず

現場の雰囲気が「溝口監督が勝つか

雷蔵さんが勝つか」という雰囲気になり

我慢比べのような感じで

でもそれに雷蔵さんは耐えて

撮影に入ったあとはスムーズに進んだそうです

 

雷蔵さん(左)と溝口監督(右))

 

雷蔵さんが語る「新・平家物語

 

この「新・平家物語」は雷蔵さん自身にとっても

思い入れのある作品になったようで

自著『雷蔵雷蔵を語る』のなかで

一生忘れられない仕事になりそうである

と書いています

 

清盛役に抜擢されたことに関しては

雷蔵さん自身もビックリして

初めのうちは半ば気おくれがした」そうです

 

また、溝口監督の厳しい演出については

私は鈍感なせいか少しもそうは感じなかった

そうで、さらに「毎日仕事をしていると

必ず身につくことが一つや二つあった」とも

綴っていて、雷蔵さんにとって有意義な

撮影、作品になったようです

 

(照明を浴びる市川雷蔵さん)

 

というわけで大河ドラマに便乗した

映画紹介シリーズ第一弾「新・平家物語」は

以上になります

 

普段から古い日本映画をご覧になる方は

平安時代というとあの映画が出て来るなぁと

容易に想像ができてしまうでしょうが

シリーズ形式にして紹介しているのは

若い方や古い映画に抵抗がある方に

古い映画の魅力を伝えたいという思いから

私なりに工夫してやっていることなので

どうかご勘弁ください

 

参照:

朝日グラフ別冊『没後25年 決定版市川雷蔵

東京国立近代美術館フィルムセンター発行

溝口健二監督特集パンフレット

室岡まさる著『市川雷蔵とその時代』

市川雷蔵著『雷蔵雷蔵を語る』

 

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