昭和寅次郎の昭和レトロブログ

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昭和女優ファイル松竹編②岩下志麻(後編)~時代の変化に適応できた演技派中の演技派女優~

 

中編からの続きです

 

shouwatorajirou.com

 

ここでは私が思う岩下志麻さんの

魅力について書いていきます

 

岩下志麻さんの魅力(女優として)

 

圧倒的な美貌!

 

岩下志麻さんの女優さんとしての魅力

それはまず何といっても美貌ですよね

 

歳を重ねてもずっとキレイで

メナード化粧品のCMに20年以上

起用されたのも納得です

若い女優さんが登場しても

取って代わられなかったのは

本当にすごいです!

 

私は特に志麻さんの横顔が好きですね

鼻筋がすごくキレイで見とれてしまいます

鼻がペチャンコな私としては

羨ましい限りです(笑)

 

そして女優さんとしての存在感

オーラがすごいのです!

何と表現したらいいか難しいですが

これぞ大女優!という風格があるのです

 

どんな役柄もこなしてしまう演技力の高さ

 

演技面はもうどんな役でもやってしまう

あまりにすごい演技力ですね

前編、中編のプロフィールを

読んでいただいた方には

わかるかと思いますが

演技賞をたくさん受賞されています

実際の映画を見たらその理由がわかります

 

世間一般ではあまり知られていませんが

デビュー当初は清純派女優として

倍賞千恵子さんと鰐淵晴子さんとともに

「松竹三人娘」だなんて言われていました

 

映画を見てみると本当に清純で

可愛らしい魅力を振りまいています

例えば「古都」などがいい例かもしれません

 

しかしこの清純派時代に

もうすでにのちの狂気の役柄や

極妻ができる素質を垣間見せています

それは高村光太郎の妻・智恵子を演じた

智恵子抄」という映画ですね

 

智恵子さんは初めはお淑やかな

お嫁さんでしたが

あることをきっかけに徐々に

心を病んでいきます

 

前半は清純な演技をされて

心を病んでいく後半は狂気の

演技で凄みを感じさせてくれます

私はそのあまりの豹変ぶりに

もう圧倒されてしまいました

 

役柄にのめり込み過ぎて私生活に影響

 

志麻さんは役作りにこだわるあまりに

撮影中にはその作品の役柄になりきり

私生活でも抜けずに悪影響が出てしまうことが

多々ありました

 

例えば極妻の撮影中には

極妻になりきりすぎて

家に電話がかかってきたときに

思わず「わてや」と「極妻」の口調で

電話に出てしまい

かけてきた人をびっくりさせてしまった

そんなエピソードもあります(笑)

 

そうして私生活でも

役にのめり込みすぎるあまり

撮影が終わってもその役柄が

抜けるのに時間がかかり

卑弥呼」のときは抜けるまでに

2週間くらいかかったそうです

 

そして次の仕事に入るまでに

素の自分に戻っているときは

「自分は何者なのか」と考えたり

ちょっとした虚脱状態に陥るのだそうです

 

女優になるために生まれてきたような方

 

志麻さんは一時期女優を辞めようと

思ったことがあるそうですが

その際旦那さんの篠田監督から

「お前から女優を取ったら何が残るんだ」

と言われたそうで

役にのめり込み過ぎてしまう

エピソードを知ってしまうと

その言葉も頷けてしまうほど

女優になるために生まれてきたような方だなぁと

私は思ってしまいます

 

演技の幅が広いために時代の変化に適応できた

 

先月、清純派女優の香川京子さんを

紹介した際に、結婚してニューヨークへ行き

帰国後に女優業を再開した際

日本の映画界がすっかり変わってしまって

自分に合う役が少なくなり

TVドラマを中心に活動されたと書きました

 

しかし志麻さんは演技の幅が広いために

清純派の殻を破って情念の女から極妻まで

やってのけてしまったため

時代が変わっても映画の仕事が

途切れることがありませんでした

 

この適応力は本当にすごいと思います

 

しかしだからと言って

私は香川さんよりも志麻さんの方が

女優さんとして優れているとは思いません

志麻さんには香川さんの持つ純真さ

心が洗われるような独特の持ち味は

出せないと思っています

どちらもすばらしい女優さんです

 

演技の幅や持ち味が違うだけで

優劣をつけることはできないと思います

 

男優さんにも同じことが言えるでしょう

 

いくら演技力が高くとも三船敏郎さんに

寅さんの役ができるとは思いません

 

要は誰にも出せない個性を一つ持っていれば

私は十分優れた俳優さんだと思うのです

 

岩下志麻さんの魅力(人として)

(水も滴るいい女)

 

大女優であることを鼻にかけない

 

志麻さんは極妻のイメージが強くなりすぎて

怖そうなイメージを持たれている方が

いらっしゃるのですが

普通に話されているときは

まったくそんなことはなく

むしろとても優しい穏やかな方で

大女優であることを鼻にかけたりすることもない

ステキな女性です

 

インタビュー本でも受け答えの中で

優しさが滲み出ています

 

若い女優さんについてどう思うか?

と聞かれても「私の時代の女優さんとは

違う種類の演技をされているので

勉強になります」という発言をされたりと

若手女優さんを見下したりするどころか

その演技を見て吸収しようとなさっているのです!

 

この寛容さは尊敬に値しますね

 

私もいまの若い方に対して

「今時の若者は…」と嘆くオジサンに

ならないように気をつけたいと思います

 

ただ変に若い方に媚びたりはしたくないですね

 

私が最初に就職した職場の上司は

まだピチピチの20代の若者だった私に

変に媚びて若者言葉を使ってきたり

それが微妙に使い方がズレていたりして

あまりいい気持ちがしなかったので

そんな風に変に若者に近づこうとするような

そんな中年にはなりたくないですね

 

大の阪神ファンで庶民的な一面も

 

また志麻さんは大の阪神ファン

普段はTVの前で野球中継を見ながら

「行けー!」「打てー!」と叫びながら

応援しているそうです

 

またTVで応援するだけでなく

春のキャンプにも足を運んだりする

筋金入りのファンなのです

 

映画では凄みのある演技を見せながらも

素は親しみやすいステキな女性ですね

 

最後に(志麻さんの清純派時代も知って欲しい)

 

私が志麻さんのファンだと言うと

岩下志麻さんカッコいいですよね~」

という答えが返ってくることが多く

どうやら「極妻」くらいしか

ご覧になっていないようなのです

 

確かに「極妻」の演技はカッコいいですし

「疑惑」(1982年)での桃井かおりさんとの

女性同士のバトル、演技合戦も

あまりにカッコよくてシビれてしまいました

でも志麻さんの魅力はそれだけではないのです

 

清純派の時代は古いですから

敬遠されてしまうのだと思うのですが

是非とも清純で可愛らしい志麻さんも

見て欲しいなぁ、もっと知られて欲しいなぁと

思ってしまいます

 

例えば小津安二郎監督の「秋刀魚の味」ですとか

「古都」ですとか…

 

初期の志麻さんはもう可愛らしいですよ!

ご興味のある方はぜひぜひ!

 

参照:

春日太一著『美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道』

 

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