昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

メルヘンな世界観がキュートな曲!河合奈保子さん「大きな森の小さなお家」

 

作詞家の三浦徳子さん訃報を受けて遅まきながら追悼

 

作詞家の三浦徳子さんが今月

肺炎のため死去されたそうです

 

www.asahi.com

訃報記事に挙げられている楽曲は

どれも有名な曲ばかりで

タイトルを見るだけで口ずさみたくなります(笑)

 

しかし記事には挙げられていない曲で

私にとって大切な曲があります

それは河合奈保子さんのデビューシングル

「大きな森の小さなお家」(1980年)です

 

(これは予約購入者特典?のカードと思われます)

 

これがとびきり可愛い奈保子さんの

とびきりキュートなアイドルソング

胸がキュンとするような歌詞・曲なのです!

 

それでは実際の歌詞を見てみましょう

 

歌詞を見てみる

 

誰も見たことナーイナイ ナーイナイ

誰もさわってナーイナイ ナーイナイ

緑の草とそよ風が 

いつでもお話してるところです

 

飛び出せ my heart あなたへと

ふるえる胸の胸の奥なの

秘密のお家へと 続く家

飛び出せ your heart 私へと

鍵をあげるわ 真心の鍵

大きな大きな大きな森の 小さなお家

 

誰も見たことナーイナイ ナーイナイ

誰もさわってナーイナイ ナーイナイ

青い泉と小鳥たち

不思議なメロディ 口ずさむんです

あなたと maybe 結ばれる

ハーフムーンの 弦を弾いて

愛のシンフォニー 奏でるのよ

二人は maybe くちづけて

いついつまでも 薔薇色の夢

大きな大きな大きな森の 小さなお家

 

(以下略)

 

どうでしょう?

とてもキュートな歌でしょう?

 

内容自体は何てことはない

ありふれたラブソングなのに

 

緑の草とそよ風が 

いつでもお話してるところです

 

青い泉と小鳥たち

不思議なメロディ 口ずさむんです

 

といった部分は森の中で自然と

動物たちがコミュニケーションを取っている

そんな情景が浮かんでくるようで

とてもファンタジックで

メルヘンな世界観が感じられます

 

そして女性が好きな人への愛を

歌っていますがそれを

「好きです」「愛してる」といった

直接的な表現を使わないで

 

鍵をあげるわ 真心の鍵

 

ハーフムーンの 弦を弾いて

愛のシンフォニー 奏でるのよ

 

と文学的な表現をされているので

まるで童話のような絵本のような

ステキな歌になっていると思うのです

 

少し話が逸れますが

今年亡くなられた谷村新司さんは生前

自身の歌詞を「谷村文学」と

呼んでいたそうです

 

演歌歌手の五木ひろしさんは国民栄誉賞について

「作曲家の偉大な先生は受賞されているのに

作詞家の方が受賞されていないのが残念だ」と

TV番組で嘆いていました

 

五木さんの仰る通り

歌がヒットするのは歌手の方の歌唱と

作曲・編曲された方の楽曲と

作詞家さんが書かれた歌詞がセットになって

人々に受け入れられているものと思います

 

表題の河合奈保子さんの曲も

文学的な表現が多用されていますし

歌詞も立派な文学だと私は思っています

(もちろん広義の意味で、ですけど)

 

私の勝手な想像(奈保子さんに向けられた歌?)

 

これは私の勝手な想像なのですが

この歌は奈保子さんに向けられているのでは?

という気がしてしまいます

 

飛び出せ my heart あなたへと」は

音楽シーンへと文字通り"飛び出す"奈保子さんが

"あなた"=音楽ファンへと届け!

という願いを三浦徳子さんは

裏に込めたのかな?なんて…

ちょっとこれは深読みのし過ぎでしょうね…

 

楽曲を聞いてみる

 

それでは楽曲を聴いてみましょう

作曲は馬飼野康二さんです

 


www.youtube.com

 

歌詞の世界観にピッタリの

可愛らしくてキャッチーな曲ですね

奈保子さんの歌声も伸びやかで

聴き心地がとてもいいです

 

これは奈保子さん以外の方が歌っても

奈保子さんには敵わないと思います

 

TV番組「博士ちゃん」に出てきた若い方が

「ザ・アイドル」と評した通りの

とびきりキュートな正統派アイドルの

類まれなるルックスを持った

奈保子さんが歌ってこそ

様になるのだと思います

 

特に「大きな」が3回繰り返される

サビの最後の部分は印象的です

 

ここで当時を知る方の証言?を借りますが

職場の50代の方が小学生のとき

隣の席の男の子が奈保子さんの大ファンで

サビの最後の部分を繰り返し繰り返し

口ずさんでいたそうです

 

やはり印象に残るフレーズなんだなぁと

思うと同時に私はその男の子と会って

(といっても今は立派な中年男性でしょうが)

奈保子さん談議に華を咲かせたいなぁなんて

思ったり、そのとき同じ教室に私も

紛れ込んでいたかったなぁと思います

 

私はやはり生まれる時代を間違えました(笑)

 

おっと!奈保子さんが森から飛び出してきました!

 

 

 

この曲で飛び出した奈保子さんは…

 

1980年6月1日に「大きな森の小さなお家」を携え

「ヒデキの妹」オーディション合格者の看板も背負い

ミュージックシーンへと飛び出した奈保子さんは

8月25日に2枚目のシングル「ヤング・ボーイ」を発売し

11月26日には日本レコード大賞新人賞を

受賞しました!

 

(レコ大新人賞受賞の記念品を手にする奈保子さん)

 

 

(新人賞受賞者の面々とともに)

これは奈保子さんが当時の音楽ファンに

受け入れられたこと

その実力が認められたことの証でしょう

 

それから奈保子さんは聖子さん・明菜さんの

ツートップに次ぐ「2番手」だなんて

そんな見られ方をしましたけど

奈保子さんは黙々と自分のやりたい音楽

歌いたい歌を追求して海外レコーディング

そしてシンガーソングライター路線へと

舵を切って全曲自作曲のアルバムを

立て続けに発表して

作った楽曲はアジアで受け入れられ

芸能界を引退して日本では忘れられそうに

なったと思いきや、まるで「ブーメラン」

のように国内で再評価が進んで

奈保子さんの活躍した時代を生きていない

世代のファンも出てきました!

 

(2020年のDVDボックス発売記念で奈保子さんコーナーが設けられたタワレコにて)

 

これは本当にすごいと思います

「ヒデキの妹」の看板に恥じない

アイドルでありアーティストですね!

 

そんな立派な歌手への第一歩として

歩み出したのはほかでもない

「大きな森の小さなお家」でした

 

五木ひろしさんによれば歌手にとって

デビュー曲とは「名刺のようなもの」だそうで

ステキな名刺を奈保子さんに作ってくださったのは

ほかのだれでもない三浦徳子さんでした

 

三浦徳子さん、ありがとうございました

そして心よりご冥福をお祈り申し上げます

 

参照:

雑誌「別冊近代映画 河合奈保子特集号」

 

 

タワレコで奈保子さんのアルバムが復刻されています!

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