- 秋ソングなのに清涼感たっぷりの不思議な歌です!
- 楽曲を聴いてみる
- 当時は歌が下手だと言われた?
- こんなに爽やかなのに歌詞は悲しい内容
- モチーフは堀辰雄さんの小説?
- この楽曲にはデュエットバージョンが存在!
秋ソングなのに清涼感たっぷりの不思議な歌です!
何だか最近昭和アイドルの歌を
取り上げることが多くなっているので
何となく流れで今回も取り上げます
このようなことを言うのもアレなのですが
私は聖子ちゃんより明菜ちゃん派なんです
でも楽曲は好きなのでCDは持っているという
そんな人間です
でも明菜さん派とか関係なく
聖子さんもいい曲多いですよね~
で、今回は「風立ちぬ」ですが
これは初めて聴いたときに
「秋の歌なのに何で夏の歌みたいな
爽やかなサウンドなんだろう?」
と思いました
普通は秋の歌というと
冬に近づいて気温が低くなり
ちょっと寂しげな
人恋しい感じの歌が多いイメージが
とても強かったので
驚いてしまったのです
そこで作曲者をみたらあの大瀧詠一さん
だったので「ああ!」と即納得しましたね(笑)
おそらく多くの方がご存知だと思いますが
大瀧さんの楽曲は「君は天然色」を
はじめとして爽やかで清涼感のある
サウンドが特徴的ですよね
ほかの歌手の方に提供しても
それが出てしまうのでしょうか(笑)
私は大瀧さんの楽曲が好きなので
「風立ちぬ」は聖子さんの歌の中で
1、2位を争うくらい気に入ってますね
楽曲を聴いてみる
それではその爽やかな楽曲を
聴いてみましょう
今年新聞の投書欄に聖子さんファンの
昭和好きの若い女の子が
80年代のキラキラした感じに憧れていて
聖子さんはお姫様みたい!と
書かれていたのですが
確かに華が尋常じゃないですね
ステージ上で放つオーラがすごいです
動画の生演奏だと少し清涼感が薄いですが
それでも曲の爽やかさは伝わってきます
そして歌が抜群に上手い!
安定感もバッチリですね!
ですが…
当時は歌が下手だと言われた?
でも当時子どもでいまは年配の方に
職場で聞いた話なのですが
「ぶりっ子」「キャンディボイス」
などと形容される聖子さんの歌は
いまの50代の方の親世代には
「下手」だと言われていたそうです
美空ひばりさんみたいな歌じゃないと
上手いとは言えないというような
受け止められ方をしたそうです
新しく出てきた音楽は若年層以外には
ことごとく否定されてきた
歴史を(知識として)知っている
昭和好きの私としては「なるほど」と
この話を聞いて勉強になりました
聖子さんファンの方
どうか怒らないでくださいね(笑)
歳を取ると新しいものが
分からなくなる傾向があるので
そういうものだと思って受け流してください
美空ひばりさんだってデビューした当初は
「少女のくせして大人びた歌を歌って生意気」
などと叩かれたりしましたから
こんなに爽やかなのに歌詞は悲しい内容
でもこんなに爽やかな曲なのに
歌詞を見るととても悲しい内容なのです
このギャップは何なのでしょうね
早速見てみましょう
風立ちぬ 今は秋
今日から私は心の旅人
涙顔 見せたくなくて
すみれ・ひまわり・フリージア
高原のテラスで手紙
風のインクでしたためています
SAYONARA SAYONARA SAYONARA
振り向けば 色づく草原
一人で生きてゆけそうね
首に巻く赤いバンダナ
もう泣くなよと あなたがくれた
SAYONARA SAYONARA SAYONARA
風立ちぬ 今は秋
帰りたい 帰れない あなたの胸に
風立ちぬ 今は秋
今日から私は心の旅人
性格は明るいはずよ
すみれ・ひまわり・フリージア
心配はしないでほしい
別れはひとつの旅立ちだから
SAYONARA SAYONARA SAYONARA
草の葉に口づけて
忘れたい 忘れない あなたの笑顔
想い出に眼を伏せて
夏から秋への不思議な旅です
風立ちぬ 今は秋
帰りたい 帰れない あなたの胸に
風立ちぬ 今は秋
今日から私は心の旅人
という感じで悲しくも
少し前向きさも感じさせる内容ですね
モチーフは堀辰雄さんの小説?
「風立ちぬ」と言えば思い浮かぶのは
堀辰雄さんの小説や映画化された作品ですね
百恵ちゃんと友和さんが共演した映画を
私はすぐに思い出してしまうのですが(笑)
百恵さんの大ファンなので
若い方は宮崎駿さんの映画でしょうか
両作ともに病で療養している女性との
悲恋の物語がありましたよね
原作のあらすじは以下のようです
堀辰雄さんの小説を念頭において
歌詞を見てみると
小説の世界観がヒントになっているような
気がしてきます
「SAYONARA SAYONARA SAYONARA」
「一人で生きてゆけそうね」
「帰りたい 帰れない あなたの胸に」
とは死期が近いことを悟っている女性が
恋人に向けている言葉でしょう
このようなフレーズを読むと
悲しい気持ちになってしまいますが
「心配はしないでほしい
別れはひとつの旅立ちだから」
「今日から私は心の旅人」と
恋人との別れに悲しんでばかりではなく
前を向いていこうとしている心情が
描かれているような気がします
先に貼ったリンク先のページを見てみると
「風立ちぬ」という小説は
感傷的な雰囲気が少なく、
明るく透明感のある作品に仕上がっている
と書かれており
大滝詠一さんが作った楽曲と
松本隆さんが綴った歌詞は
原作の世界観に忠実に作られていると
言えそうですね
ということは秋の歌なのに爽やか
悲しい境遇の女性が主人公なのに爽やか
というギャップは小説から
来ているのかもしれませんね
とは言っても私の勝手な解釈なので
ここはきちんと調べておきたいところです
あと不思議なのが
「すみれ・ひまわり・フリージア」
と花の名前が列挙されていますが
いずれも秋に咲く花ではないようなのです
どうしてだろうと思って調べたところ
松本隆さん自身がラジオ番組で
「完全に無意味なフレーズ」と
発言されていたそうです
聴く側が何だろう?と思っても
意外と深い意味はなかったりすることも
あるのですね(笑)
この楽曲にはデュエットバージョンが存在!
大瀧詠一さんとのデュエットバージョンが
実は存在していた!ということを知りました
大瀧さんが遊び心で録音していたようで
それが先月アナログ盤とCDに初収録され
発売されたそうです
これがデュエットバージョンだそうです
大瀧さんのアルバム「DEBUT AGAIN」
(2016年)に収録されているセルフカバーを
ベースにしている感じですね
デュエットバージョン、ステキですね
ということで今回は
秋の歌なのに、悲しい内容なのに
清涼感たっぷりのサウンドの不思議な楽曲