初の日本語ロックを歌ったのはだれ?
さて6月9日はロックの日です
そこで「初の日本語ロックってだ~れ?」と題して
今日は書いていきたいと思います
いろいろなメディアでよくいわれるのは
在籍していたスター軍団「はっぴいえんど」が
「初の日本語ロックだ」ということなのですが
私は「う~ん」と首をかしげたくなってしまうのです
その前にもロックサウンドを響かせていた人たちが
いるのではないかと
はっぴいえんどファンの方、ごめんなさいね
私ははっぴいえんどを「ロックじゃない」と
言うつもりは1ミリもないのです
れっきとした「ロック」であることは間違いありません
「初」という部分で引っ掛かっているだけです
じゃあだれよ?ということになりますが
私はGS(グループサウンズ)のいちバンドとして
数えられている「ザ・スパイダース」ではないか
と思っているのです
え~!と思われる方もいるかもしれません
でも楽曲をよく聴いていただければ…
と思います
GSの音楽史上の功績は
日本の音楽にビートをもたらしたこと
そんな大ムーブメントだと思います
それ以前の日本の音楽とは明らかに違います
ビートは効いているけれど
楽曲は歌謡曲の域を出ていない
そんなバンドさんも多くいました
しかしスパイダースはきちんとロックした
サウンドを響かせているのです!
例えばこの曲
メロディは歌謡曲っぽくないですし
ギターサウンドはちゃんとしたソロ部分があり
歌メロを弦1本でなぞるだけのソロになっていません
本格的なギターソロです
そしてコーラスワークがビーチボーイズっぽい
こんな楽曲もあります
それからシャウトが効いたこんな曲も
これは「ザ・スパイダースの大進撃」(1968年)
という映画のシーンの一部なのですが
当時作られたものなので
GS全盛時代の空気感が伝わってきますね
それにしてもロックしてますねぇ
ここまで紹介してきた3曲は作曲がすべて
かまやつひろしさんの手によるものです
かまやつさんは作曲センスありますね
スパイダースがロック扱いされなかったのもわかる
ただやはりスパイダースが
ロックバンドとして扱われなかったのも
わかる気がするんですよね
それはGS全盛期に活躍したことです
その時代に出てくれば
自然とほかのバンドさんと
「同類」とみなされても
致し方ない部分はあるなぁと思います
そういえば最近出版された新書本
スパイダースのことを「日本語ロックの萌芽」
と表現されているんですよね
何てうまい表現なんだろうと思いました
やはり本を書かれるほどの方は違うなぁと
私の書き方でははっぴいえんどのファンの方に
誤解を与えかねないですからね(笑)
GSムーブメントのすごさ
GSムーブメントは西洋の文化への憧れを持った
当時の若者たちがビートルズのように
エレキギターを手にして生まれました
デビューを果たしたバントの数は
実に100を超えるそうです
すごい数ですよね
そうしたバンドのひとつ
ブルーコメッツはデビュー曲
「ブルーシャトウ」がいきなりの大ヒット!
一方で不良の象徴とされたGS
短髪でジャケット姿だったブルコメは
レコ大や紅白出場を果たせましたが
長髪だったスパイダースやタイガース
さらには女性観客が失神するという
失神騒ぎで物議を呼んだオックスなどは
若者を非行に走らせる不良の象徴とされ
レコ大や紅白出場はおろか
GSバンドたちに会場を使わせないという
自治体も出てきたそう
(寺脇研著『昭和アイドル映画の時代』を参照)
私は今日のレコ大や紅白の権威失墜は
このGSバンド締め出しが始まりだと思っています
それから今では考えられませんが
昔の紅白にはオーディションがあり
「歌唱力のある歌手が出るべきもの」
とされて落選する歌手もいたのだとか
こうしたGS締め出しや
不可解なオーディションの影響もあって
紅白にはどんなにオファーしても出てくれない
反発する歌手やバンドがいるのだと思います
また当時からのGSファンの方には
GSを不良扱いしたことで
いまだにNHKを好ましく思っていない方もいます
あと両親から昔聞いた話ですが
「不良の音楽だから聴かないように」と言う
学校の先生がいたそうです
バンド形態で若者文化を花開かせたGSの功績
若者文化を花開かせた功績があると書きましたが
GSはエレキを手にしてバンドという形で
若者文化を生み出したことと
御三家までにはあまりなかった
ビートやエレキギターを存分に響かせた点で
後続の音楽に多大な影響を与えたこと
これが最大の功績だと思います
そしてやはり初の日本語ロックは
スパイダースだ!と個人的には思っています
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