- 戦前の早慶戦人気を伺わせる歌「野球シャンソン」!
- 歌詞を見てみる
- 野球のプレーとラブソングを融合したお洒落な歌!
- 楽曲を聴いてみる
- 淡谷のり子さんは実は日本のシャンソン第1号!
- 最後に(戦前歌謡の扱いについて)
戦前の早慶戦人気を伺わせる歌「野球シャンソン」!
今回は戦前歌謡を取り上げます
先日映画紹介記事で戦前の野球人気は
「落第はしたけれど」という
映画を取り上げたのですが
今回はその早慶戦人気が映し出されている
戦前の歌謡曲を紹介します
歌も時代を反映するものですからね!
取り上げる歌は淡谷のり子さんの
「野球シャンソン」(1932年)です!
まずはどのような内容の歌なのかを
見てみましょう
作詞は何とあの「君の名は」の原作者の
菊田一夫さんです!
でも「君の名は」とは言っても
ないですからね!
これがもう紛らわしくって
古関裕而さんを取り上げた朝ドラ
「エール」が放送されているとき
古関さんが「君の名は」の主題歌に
とりかかっている場面について
「何でこの時代に「君の名は」なんだ?」
とネットに書き込まれているのを
見ました(笑)
古い「君の名は」をご存知ない方が
いるようなのですよ
「。」があるのとないのでは
全くの別物ですから!
というのは置いておきまして
本題に戻りましょう
歌詞を見てみる
あなた早稲田が好きなのね
妾(わた)しゃ慶応敵味方
もめる二人の恋の仲
ホンニ罪なはリーグ戦
ソレ リーグ戦
粋なピッチャーのモーションに
ネット裏でも 逆モーション
見せに来たのか見に来たか
ちょいと取り出すコンパクト
ソレ コンパクト
振られ振られて三度振り
恋のひじ鉄いやなもの
今度こそはと出てみたら
デッドボールで又振られ
ソレ 又振られ
早いランナーお気をつけ
スチールホームはお手のもの
用心しないと心まで
知らぬ間に盗まれる
ソレ 盗まれる
とんだガールに目をくばり
一寸と恋人見つけ出し
思いを投げたい知らせたい
うまくウインクとどけたい
ソレ とどけたい
(第1回早慶戦の様子。たくさんのお客さんが詰めかけていますね)
野球のプレーとラブソングを融合したお洒落な歌!
野球のプレーとラブソングを
融合させた歌詞が何ともシャレていて
いいですね
冒頭でいきなり
「あなた早稲田が好きなのね
妾(わた)しゃ慶応敵味方」
と早稲田派と慶応派の組み合わせで
もめるカップルが出てきて
面白いですね
当時は野球と言えば大学野球
とりわけ早慶戦だったことが
伺えますね
プロ野球で言うところの
巨人と阪神の関係のような
ものでしょうか?
かつては「妾(めかけ)」という字が
「私」として使われているのを
この歌詞で初めて知って驚きました
使われなくなった理由は
「妾」という言葉のイメージが
あまりよろしくないから?だと
思われますが、ちょっと調べても
わからなかったので
時間のあるときに調べたいと思います
話を戻しますと
その後の歌詞はピッチャーの
モーションと恋のモーションを
引っかけて、そのあとも
野球のプレーと恋を重ね合わせた
フレーズが続きます
いやぁお洒落ですね~
昭和好きになる前は
戦前はただ暗いイメージしか
なかったのですけど
このように戦前の芸能に触れたり
時代を調べて見ると
戦争が本格化するまでは
なかなかお洒落で興味深い時代なんです
お洒落なラブコメ映画なども
作られていましたし
楽曲を聴いてみる
それではこの辺りで
肝心の楽曲を聴いてみましょう
作曲は奥山貞吉さんです
明るい曲調で楽曲もお洒落ですね~
そしてこの時代の歌謡曲ならではの
ときどき雑音が入るのが
レトロ感があって堪らないです(笑)
私のような重症の
昭和好きになってしまうと
この雑音まで愛おしく
感じられてしまうのです(笑)
この手の時代の楽曲は戦後に
ステレオで録音し直したりも
されるのですが、それだと音が
クリアすぎてどうも好きになれません(笑)
やはり発売当時の音源が聴きたい!
それが味わい深い!と思ってしまいます
でもこの曲はタイトルに「シャンソン」
とついていますがシャンソンではなく
歌謡曲ですよね
シャンソンとつけたのは
お洒落な感じを出したかったから?
う~ん、わからりませんが
これでよかったと思います
淡谷のり子さんは実は日本のシャンソン第1号!
表題の歌から少し話が逸れますが
「別れのブルース」(1937年)などの
ヒット曲で知られ、「ブルースの女王」
と呼ばれる淡谷のり子さんですが
(というより毒舌家としての方が有名?)
実は日本のシャンソン第1号歌手なのです!
これは意外ですよね
私はてっきりシャンソンの女王こと
越路吹雪さんが最初だとばかり
思っていましたから
シャンソンとの出会いについて淡谷さんは
「「聴かせてよ愛の言葉を」ですね
あれをルシェンヌ・ボワイエで
聴きましてね
それからシャンソンに
とりつかれてしまいました」
との発言を残しています
(CD「淡谷のり子の世界」の
ライナーノーツより引用)
その「聞かせてよ愛の言葉を」を
淡谷さん自身も歌っており
そのほかにも「巴里祭」(1936年)
「人の気も知らないで」「待ちましょう」
「枯葉」「愛の讃歌」など
シャンソンがお好きな方なら
おそらくご存知と思われる名曲を
歌っています
またシャンソン以外にも
外国のジャズやタンゴの歌も
歌っています
さまざまなジャンルを歌った方なんですね
最後に(戦前歌謡の扱いについて)
私はBSの歌番組で表題の「野球シャンソン」
という曲を知ったのですが
BSの歌番組でも昭和歌謡の番組と
銘打っていても1970年代からの
楽曲しか取り上げず、それ以前の
時代のヒット曲は完全無視という
番組もあり、いろいろな時代の
昭和歌謡を知りたい私としては
非常に残念に思います
来年は昭和100年ということもあり
このブログでは戦前の昭和芸能から
80年代のバブル期もどんどん
取り上げたいと思っています
とにかく昭和が知りたくて知りたくて
堪りません!
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