昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

今こそ広めよう!原爆の悲劇を描いた大切な映画「ひろしま」

 

今日は広島に原爆が投下された日

 

今日8月6日は広島に原爆が投下された日ですね

今回はその世界史的に見ても重要であり

大きな悲劇をもたらした出来事を描いた映画

ひろしま」(1953年、関川秀雄監督)について書いていきます

 

(映画「ひろしま」の一場面)

 

実際の被爆者たちが多数出演した二度と作れない映画

 

映画「ひろしま」は78年前の今日

実際に被爆した広島市民の方たちが多数出演し

忠実に歴史的悲劇を再現しています

映画に参加した市民の数は8万8千人

ものすごい数ですよね

 

実際の被爆者の方々が出演されていることは

もちろんのこと事件から間もない時期に作られ

当時の空気感やどれだけ悲惨だったのかを

徹底的にリアルに描いているので

もう二度と作ることのできない映画だと思います

 

しかし被爆者の方たちが出演して演じることは

思い出したくないことを思い出すことになるため

撮影中に「あの日」のことが蘇って

つらい気持ちになったり泣き叫ぶ女性もいたのだそう

 

それでも体験したことを世に伝える使命感で

映画製作に協力した被爆者の方々には

もう頭が下がる思いしかないですね

 

目を覆いたくなる残虐性はないので安心して見られる

 

ここまで読んでくださった方の中には

原爆投下により皮膚がただれたり

目を覆いたくなるようなシーンがあるのでは?

と不安な気持ちを抱いた方も

いらっしゃるのではないかと思いますが

1950年代の技術ですからごく普通に見られますし

「目を覆いたくなるような」ではなく

戦争体験者ではない私からすると「目を疑うような」

光景や描写が数多くむしろ画面に釘付けになりました

 

そんな原爆の恐ろしさや信じがたい光景が

きちんと描かれた作品に仕上がっている

という印象を持ちました

 

「反米的」との理由で上映は困難を極めた

 

しかし映画が完成した1953年当時は

上映できる映画館がなかなかありませんでした

下の記事では「反米的」だからと

日本の映画会社が尻込みしている

と書かれていますが

どうやらアメリカの反応を恐れて

二の足を踏んだのだそうです

 

 

その結果大きな映画館で大々的に上映できず

独立系の映画館や自主上映

細々と上映されるにとどまり

その後は忘れられてしまったのだそうです

 

宣伝も小さかったのが当時を物語っている

 

下は公開当時の映画雑誌の宣伝です

併映作品はでかでかと扱われているのに対し

ひろしま」は文字だけでとても小さいですよね

これほどまでの扱いの差は

上記に書いたアメリカへの尻込みでしょうね

 

(映画雑誌に掲載された宣伝)

 

出演した広島出身の女優・月丘夢路さんが絶賛された

 

広島出身で友人が原爆の被害にあった女優の

月丘夢路さんは「ひろしま」にノーギャラで出演し

当時美談として絶賛されました

下はそのことを伝える映画雑誌の記事です

 

 

ノーギャラでもいいから原爆の恐ろしさを

世間の人に伝えるために映画に出て

貢献したいというのはすばらしい行動ですね

 

2010年代から自主上映が始まった

 

しかし2010年代から映画の助監督を務めた方の

お子さんが自主上映活動を始めると

徐々に映画の存在が知られるようになりました

 

しかし半世紀以上倉庫に眠っていたフィルムは

劣化が激しくデジタル化する必要が出てきました

 

アメリカからデジタル化への協力の声がかかった!

 

しかしデジタル化は多額のお金がかかるため

困っていたところアメリカの映画会社から

デジタル化に協力したいという声がかかりました

 

海外がこの映画に目をつけるとは

嬉しい反面悲しいことですね

なぜならそれは日本の映画会社が

古い作品に対する興味が薄いことを

物語っているからです

 

そうしてアメリカの会社の協力で

ひろしま」はデジタル化されて

北米で配信され、次第にほかの国からも

上映希望の声がかかりました

 

いまでは日本国内でもアマゾンプライムなどで

いつでも見られるようになりました

 

戦争が繰り広げられているいまこそ見られるべき!

 

時代が令和になった現代

ウクライナ問題で改めて核の脅威を

思い知らされることとなりました

 

そんないまの時代こそ

ひろしま」は見られるべき映画だと思います

 

そして日本が先頭に立って

この映画の普及に尽力すべきだと思います

唯一の被爆国ですからね

 

最近日本はウクライナ問題を契機に

防衛強化への道を歩み始めました

 

ただ核開発だけはしてはならないと思います

 

もし日本が核開発を始めたら

どのようなことになるでしょうか

 

私はアメリカを含めた国際社会から

非難の目を向けられることになると思います

原爆を落とされてその恐ろしさを知った国なのに

どうして開発するのかという

疑問の声や落胆の声も世界中で巻き起こると思います

 

そうして日本は外交上不利益を被ることになると

私は勝手ながら想像しています

 

では最後にアメリカの映画監督

オリバー・ストーンさんの言葉を引用して

この記事を締めくくりたいと思います

 

「世界中の人が見るべきだ」

「この映画は現代戦争の真の恐ろしさを

思い出させてくれる」

 

参照:2019年放送Eテレ「忘れられた“ひろしま” 8万8000人が演じた“あの日”」