昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

あまりに切ない中森明菜さんの夏の歌「忘れて…」

 

あまりに切ない!中森明菜さんのサマーソング「忘れて…」

 

今日は海にまつわる

お気に入りの夏の歌を紹介します

中森明菜さんの「忘れて…」です

1991年発売のシングル

二人静 -「天河伝説殺人事件」より」の

B面に収録されているほか

数多く出ている明菜さんのベスト盤のなかで

「BESTIII」などに収録されています

 

歌詞を見てみる

 

それでは切ない歌詞を見てみましょう

作詞は何と明菜さん自身のペンによるものです!

 

去年の夏

待ち遠しくて

水着を買いに出かけたわ

 

はじけるような

笑顔 見せて

少し 見えはる 夏休み

 

みんな日焼けを かさねるように

心に思い出 かさねていく

鏡に映る 私の肩には

彼との思い出 消えかかってた

 

なくしたくて

なくしたくて

新しい水着 買ったのに…

忘れたくて

忘れたくて

好きなデザイン変えてみたのに…

 

(以下略)

 

少ない言葉数で十分内容が伝わる歌詞がお見事!

 

明菜さんはこの歌以外にも

作詞を手掛けることがありましたが

この曲は言葉数が少なくても

伝えたい内容が十分わかるように

書かれているのが上手いと思います

 

歌詞に言いたい内容を

全部詰め込む必要は別にないのです

 

買ったのに…」「変えてみたのに…

の「…」にこの歌の核となる内容が

ギュッと凝縮されていて

あとは聴く人のそれぞれの感じ方や

受け止め方に委ねられています

 

「…」だけで何を言わんとしているか

わかりますよね?

 

新しいデザインの水着を買って

かつての恋人との思い出を忘れたかったのに

忘れられなくて…ということですよね?

 

でもそこを敢えて歌わず「…」にしていることで

余白といいますか余韻があって

聴く人にいろいろな受け止め方や

感じ方をさせるように残してくれて

私の場合ですと何とも胸が

キュンと切なく締め付けられ

泣きそうになってくるのですが

私だけでしょうか(笑)

 

日焼けを かさねるように

心に思い出 かさねていく

 

という比喩表現もうまいですし

明菜さんは作詞家としてのセンスも

十分に持っているのではないでしょうか?

 

夏の歌でもこんなにも切ないのが

哀愁漂う歌の多い明菜さんらしくていいですね

 

1991年の幕張ライブバージョンはさらに切ない!

 

明菜さんはある男性との"あれこれ"のあと

(具体的に書かなくてもわかっていただけるはず…)

少し休養期間に入りましたが

そこからのブランクを経て1990年に「Dear Friend」

「水に挿した花」

翌年には「二人静 -「天河伝説殺人事件」より」と

立て続けにシングルを発表して

そして満を持して復活ライブ(通称:夢Live)を

幕張で行ったのですが

そこで披露された「忘れて…」は

このライブのためのスペシャルバージョンとして

新たにファンへの感謝の思いを綴った歌詞を加えて

歌われました

 

それがファンとしてはすごく感動的なのです!

ファン思いの明菜さんの人柄がにじみ出ているようで

私は思わず涙してしまいました

 

以下が夢Liveバーションの「忘れて…」です

 

youtu.be

 

何て粋な演出なのでしょう!

歌に乗せて心配をかけたこと

ファンへの感謝の思いを伝えるなんて!

 

誰がアイデアを思いついたのでしょう?

自分で曲の衣装を手がけたり

アルバムのプロデュースを担当したりと

「博士ちゃん」という番組でも

ヤングたちが「明菜さんは自己プロデュース力がある」

と語っていましたけど明菜さん自身が

考えられたのでしょうか?

それは十分あり得ますねぇ

 

自己プロデュース能力が昭和アイドル人気再燃の要因?

 

つい最近新聞だったか忘れましたが

昭和のアイドルが若い人の間で

人気を集めているのは

芯の強いところや自己主張ができる生き方に

憧れの気持ちを抱くからだそうです

 

私はもうヤングとは言えない年齢ですが

昭和アイドルをリアルタイムで知らないのは

ヤングたちと同じです

 

百恵さんにしてもヒデキさんにしても

「こういうシンガーでありたい!」

という明確なビジョンを持っていて

それを実行してきたから

今でも魅力を放ち続けているのだと思います

明菜さんも然りです

 

 

だから明菜さんは活動しなくなっても

"忘れられない"、変な週刊誌には良くも悪くも

"忘れさせてもらえない"(笑)存在なのでしょうね

 

ファンは復帰に向けて少しずつ動き出した

明菜さんをじっと見守っています

 

ずっと応援していますし

ずっと明菜さんの楽曲は愛聴し続けますよ!