中島みゆきさんの「地上の星」が違った意味で聴こえる
さて今日は七夕ですね
ロマンチックな星にまつわる歌でも
紹介しようかと思ったのですが
「少子化」「子どものいる世帯数減少」
といったニュースが流れる最近のことを思うと
シリアス路線の記事がどうしても書きたくなって
を取り上げることにしました
同年発売のアルバム「短編集」や
ベストアルバムやシングル集にも収録されています
皆さんご存知のように
の主題歌として起用され
発売当初こそヒットしなかったものの
年末の紅白歌合戦でみゆきさんがダムからの中継で
歌唱するや否や翌年にはヒットチャートの
1位に駆け上がりミリオンセラーとなった
みゆきさんの代表曲のひとつですね
番組の内容に沿った歌詞で多くのサラリーマンを励ました
2005年に放送が終了した「プロジェクトX」
という番組は有名人ではないけれど
世の中に大きく貢献した企業プロジェクトに
関わった無名の方々にスポットを当てた内容で
中島みゆきさんの主題歌とともに
サラリーマンの方たちに勇気を与えた番組だったと
記憶しております
しかしいまの私が聴くと
孤独な人たちへ捧げる歌のように思えてくるのです
みゆきさんの歌詞の世界は
断定しない書き方をされているので
幾重にも解釈可能で奥深いですからね
歌詞を見てみる
さてどのあたりが孤独な人についての
歌に聴こえてくるのか
歌詞を見てみましょう
風の中のすばる
砂の中の銀河
みんな何処へ行った
見送られることもなく
草原のペガサス
街角のヴィーナス
みんな何処へ行った
見守られることもなく
地上にある星を誰も覚えていない
人は空ばかり見てる
つばめよ 高い空から教えてよ
地上の星を
つばめよ地上の星は
今 何処にあるのだろう
崖の上のジュピター
水底のシリウス
みんな何処へ行った
見守られることもなく
名立たるものを追って
輝くものを追って
人は氷ばかり掴む
（以下略）
「地上の星」が見送られない社会がやってきている
この曲がヒットしていた当時は
「プロジェクトX」の効果もあって
有名人などの空に輝くスターでなくても
平凡なサラリーマンでも世の中に貢献している
立派な「地上の星」なんだという
そのような受け止め方をされ
大ヒットへつながったのだと思います
ですが番組終了から20年近く経って
世の中も大きく変わってきたいまとなっては
誰の支援も受けられず孤立している方への
歌に聴こえてくるのです
今年はこのような問題が報じられていました
家族や兄弟などの身寄りのない方が
孤独死することが多くなっています
まさに「見守られることもなく」ですよね
そういった方々も立派に仕事をしてきて
税金を納めてこの国に貢献してきた
「地上の星」であるはずですよね
またコロナ禍では命の選別が行われている
そんなことがわかりました
社会に貢献したこのような「地上の星」が
悲しい最期を遂げなくてはならないとは
残念でなりません
そしてこのようなケースは今後
さらに増えていくことが予測されています
格差社会と結婚したくてもできない若者が
増えたことが孤独死を増やすことになるでしょう
人と人との繋がりがどんどん
希薄になっていますからねぇ
幾重にも解釈できるように歌詞を書くみゆきさん
上記で書いた人との繋がりについては
みゆきさんはおそらく考えずに
番組の内容に沿って歌詞を書いたと思います
しかしいまの私には
孤独な人へ向けた歌に聴こえてくるのは
みゆきさんが言葉巧みにさまざまな表現を使って
どんな風にも解釈できるように
受け止め方を聴き手に委ねるように
歌詞を書いているからだと思います
なのでタイアップを組んだ番組が終わってからも
人々の心に響く普遍的な歌となり
みゆきさんは何十年も愛される
歌手になっているのだと思います
「地上の星」など独特の表現を思いつくみゆきさんのすごさ
名もない存在だけれども
立派に社会に貢献している人たちを
「地上の星」と表現するみゆきさんは
すごいとしか言いようがありません
このほかにも孤独を好んでいるわけではない
「ひとり上手と呼ばないで～♪」と歌う歌もありました
これも「ひとり上手」だなんて表現
どうして思いつくのだろうと感心します
表現の引き出しをいくつも持っていて
さまざまなタイプの歌詞が書けて
あの独特の歌声と素晴らしいメロディで
聴く人の耳を捉えて離さない曲が作れるみゆきさんは
私は大げさではなく天才だと思っています
最後に楽曲を改めて聴いてみる
では最後に楽曲の動画を貼って
記事を締めくくりたいと思います
見守られることなく最期をとげる
そんな人たちが出ない社会が実現しますように…
