昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

低収入じゃ幸せ求めちゃいけませんか?葛城ユキさん「ボヘミアン」

 

葛城ユキさん「ボヘミアン」はいまの時代にこそ響く?

 

今回取り上げる昭和の歌は

昨年の6月に亡くなられたロック歌手

葛城ユキさん最大のヒット曲「ボヘミアン(1983年)です

 

 

取り上げる理由は

近年の恋愛弱者と言われるような

結婚したくてもできない

あるいは結婚を諦めてしまった

と言ってはいるものの

本当は結婚したいんだけどお金が…

職業が…というような理由で結婚できない

コラムニストの荒川和久さんの言う

不本意未婚の方に響くのではないか?

と思っているからです

 

と書いている私も不本意未婚です

結婚は諦めていると周囲に公言しているけれど

本当の心の底ではできるならば結婚したい

と思っている人間なのです

 

歌詞を見てみる

 

さて具体的にどんなところが

現代人に響くのか

歌詞を見て考察していきましょう

作詞は飛鳥涼さん、つまりASKAさんです!

 

ボヘミアン 破れかけのタロット投げて

今宵もあなたの行方占ってみる

ボヘミアン 身の程知らぬ恋でしょうか

しあわせ もとめちゃいけないでしょうか

 

一夜に燃え落ちて 甘い夢見て

狂おしく抱きしめた あなた旅人

ボヘミアン 恋の矢の痛みに嘆く

あなたの愛が 今もぬけない

 

ボヘミアン ためらいがちのさよならと

"また来る"の言葉残して立ち去った男

ボヘミアン 自由に飛び回ることなど

忘れてた女に愛くれた男

一夜に燃え落ちて 甘い夢見て

狂おしく抱きしめた あなた旅人

ボヘミアン あなたは はかなきリフレイン

私もあなたを待つボヘミアン

ボヘミアン

 

一夜限りの恋で愛に目覚めた恋愛弱者女性の歌?

 

まず序盤「身の程知らぬ恋でしょうか

しあわせ もとめちゃいけないでしょうか

と歌われドキッとしてしまいます

 

このフレーズから推察するに

この女性は普段はあまり恋愛などで

男性に相手にしてもらえない

恋愛弱者女性という気がします

 

そして「一夜に燃え落ちて 甘い夢見て

あなたの愛が 今もぬけない」からは

この女性はワンナイトラブ

一夜限りの行きずりの恋を経験して

忘れられない強烈な体験をされたのかな?と思います

 

自由に飛び回ることなど

忘れてた女に愛くれた男の自由とは

いろいろと解釈できそうで難しいですが

私が思ったのは「こんな私でも

自由に恋をしてもいい」ということでは?

と解釈します

 

歌詞を私なりに考察してきましたが

交際経験のない男女が多くなっている

令和の現代にピッタリハマるのでは?

という気がします

 

人間に「スペック」という言葉を当てはめていいものか?

 

最近婚活や就職で「スペック」という言葉が

使われているのをよく目にします

高収入、一流大学卒、高身長、イケメンの男性は

「ハイスペック男性」というような

 

しかしパソコンの性能などに使われていた

「スペック」を人間に使っていいのでしょうか

 

これでは本来皆平等であるはずの人間に

優劣をつけることになりますし

高収入が得られる職業が上で

収入が低い職業は下という

職業差別を生みだすことになりはしないでしょうか

 

一流企業であろうとそうでなかろうと

職業に貴賤はないはずです

どんな仕事にもそれぞれの価値があって

世の中に必要で貴いものです

 

またもう少し視野を広げて

作業所などで働く障がい者の方は

どうでしょう?

その人たちを「低スペック」と言ったら

差別にあたりますし

ナチス優生学につながってしまいそうで

怖いです…

 

非イケメンでも低収入でも幸せは追求してもいいはず

 

イケメンではなく収入が低い人でも

人を好きになったり幸せを追求する権利はあるはずです

結婚だけが幸せの形ではないですが

 

日本国憲法でも幸福追求権が保証されています(第13条)

 

結婚相手や恋人を選ぶとき

大事なのは人間性や相性ではないでしょうか

 

低収入では結婚が難しい現実はある

 

以下のサイトに書かれているように

低収入者の婚姻数が低いという現実は

確かにあります

 

president.jp

 

低収入者同士で結婚できないものか?

 

しかし以下のような主張もあります

地味婚でお金をかけなければ

結婚できるのでは?というものです

 

toyokeizai.net

 

このような主張をすると

鼻で笑われてしまいそうですが

昭和の時代には貧しい男女が

身を寄せあって暮らしていました

以前このブログでも取り上げました

 

 

shouwatorajirou.com

 

 

ところで以前このようなことがあったのを

覚えている方はいますでしょうか

 

mdpr.jp

 

人間の本性は寂しがり屋で

本当は一人より二人がいいのではないでしょうか

 

中島みゆきさんは「誕生」という歌で

ひとりでも私は生きられるけど

誰かとならば人生ははるかに違う

強気で生きてる人ほど

些細な寂しさでつまずくものよ

と歌っています

 

しかし低収入者の結婚が難しい現代

 

しかしそれでも低収入者の結婚が

困難な現状があります

私が思う理由は3つあります

 

①昭和のような周囲のお膳立てがない

②昭和は貧しい人が多かった

SNSの発達で他人の私生活が可視化された

 

③は最近ふと思ったことですね

 

SNSで他人のキラキラした姿

豪華な結婚式を見せられてしまっては

低収入者同士で式を挙げずに地味婚だなんて

「格好悪い」「友達にバカにされる」

と二の足を踏んでしまうでしょう

 

それでも理想に近づいてほしい

 

上記のような厳しい現実があっても

理想に近づいてほしいというのが

私のささやかな願いです

 

というのは現代の「スペック」とやらは

やはり差別を助長しかねない

好ましくない風潮だと思うからです

 

それではこのあたりで動画を貼り

記事を締めくくろうと思います

 


www.youtube.com

 

葛城ユキさんのハスキーボイスが

愛を求める女性の心の叫びように聴こえて

切なく胸に突き刺さります

 

CD音源にはないホーンセクションも

いい味出してますねぇ

 

結婚したくてもできない

そんな人たちは愛を求めるボヘミアンではないでしょうか

 

 

 

 

 

困難な結婚

困難な結婚

  • 作者:内田 樹
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