- 歌手・吉永小百合さん最初のヒット曲「寒い朝」
- 実は単なる冬の歌ではない!
- 厳しい状況でも希望を見出そう!
- このような曲が生まれた背景は経済成長?
- 吉田正さんは小百合さんの音域に合わせて作曲した!
- 余談(小百合さんは寒さに強いお方!)
- 歌手デビュー60周年で坂本冬美さんとコラボ!
歌手・吉永小百合さん最初のヒット曲「寒い朝」
今回は私が毎年この冬の季節になると聴きたくる
吉永小百合さん・和田弘とマヒナスターズの
「寒い朝」の魅力について書きたいと思います
「寒い朝」は日活映画「赤い蕾と白い花」(1962年)
の主題歌兼主演の吉永小百合さんの歌手デビュー曲で
映画の公開と同じ1962年に発売されました
でもいきなり小百合さん一人で歌わせるより
小百合さんの歌唱力を考えると
だれかと組ませて出した方がいいのでは?
ということからマヒナスターズに白羽の矢が当たり
発売したことが見事に功を奏しヒットしました
この曲で紅白歌合戦への出場も果たしています
そして吉永小百合さんが歌手として
その後ひとり立ちして成功を収めることを
後押しすることとなりました
小百合さん、幸先のいいスタートを切りましたね!
実は単なる冬の歌ではない!
この歌は単なる冬の朝を歌った曲だと
長いこと思っていましたが
意外なこととして驚かされたのが
この歌には作曲家・吉田正さんの
シベリア抑留体験が込められているのだそう
吉田正さんは以下のような発言を残しています
小百合ちゃんをソビエトの寒い冬の丘に
立たせて、ネッカチーフなんかこういうふうに
かぶらせて、というイメージが初めからあるわけ
そこから出たんですよ
吉田正さんのシベリア抑留体験の
楽曲と言えばかの地で書き上げた
「異国の丘」が思い浮かびますが
「寒い朝」も実はそうなのです
意外ですよね
歌詞を見てみましょうか
作詞は佐伯孝夫さんです
北風吹きぬく寒い朝も
心ひとつで暖かくなる
清らかに咲いた可憐な花を
みどりの髪にかざして今日も ああ
北風の中にきこうよ春を
北風の中にきこうよ春を
北風吹きぬく寒い朝も
若い小鳥は飛び立つ空へ
幸福求めて摘みゆくバラの
さす棘いまは忘れて強く ああ
北風の中に待とうよ春を
北風の中に待とうよ春を
北風吹きぬく寒い朝も
野越え山越え来る来る春は
いじけていないで手に手をとって
望みに胸を元気に張って ああ
北風の中に呼ぼうよ春を
北風の中に呼ぼうよ春を
以上が「寒い朝」の歌詞なのですが
シベリアの極寒の光景は
微塵も見られません
楽曲の方も冬の寒さが感じられながらも
どこか温かさも伝わってくるような
そんな仕上がりになっています
歌の動画を貼っておきますね
マヒナスターズの歌唱は
どこか小百合さんを後押しするような
優しい感じがしますね
ところでマヒナスターズって何ぞや?
という方もいらっしゃると思いますが
このグループについて1本記事を
書く予定でいますので
そちらを読んでくださると嬉しいです
もちろんWikipediaなどを
ご覧になっても構いません
さて話を「寒い朝」に戻しますが
歌詞を見ても楽曲を聴いても
シベリアの厳しさは感じられませんよね
これはシベリアでの体験を
日本の冬の風景に置き換え
体験のことは裏に込めた
という手法をとったものと思われます
同じようなタイプの曲として
弘田三枝子さんの「人形の家」があります
あのミコちゃんの大ヒット曲も
実は作詞家のなかにし礼さんの
満州での戦争体験がもとになっているのです
これも驚きですよね
厳しい状況でも希望を見出そう!
吉田正さんの体験が込められている
という背景を知ってから「寒い朝」を聴くと
シベリアという厳しい環境で
過酷な労働を強いられた吉田さんが
そんな状況のなかでも
希望を見出そうと生き抜いた姿が
浮かんでくるような気がします
これはただの私の想像にすぎないかもしれませんが
特に「北風の中にきこうよ春を」
というフレーズにはそのような
希望を見出そうという思いが
ひと際込められている気がしてなりません
私は令和のいまこの歌を聴くと
コロナ、戦争、物価高、生活苦
少子化といった現代の厳しい世の中でも
希望を見出して生きていきましょうよ!
と励まされる感覚がしてきます
もちろん文字通り読み取って
厳しい寒い冬も耐えたら必ず春が来るから
乗り越えましょうよ!
という純粋な冬の歌としても
とても魅力的な1曲です
このような曲が生まれた背景は経済成長?
私はこの曲の「希望」に満ち溢れた世界観が
何とも言えず好きです
このような曲が生まれた背景は
発売された時代がちょうど
戦後の高度成長期と重なるので
それが要因なのかしら?
と考えてしまうのですが
実際のところどうなのでしょう
私は現在の芸能に疎いので(特に音楽)
何とも言えないのですが
映画で言えば「寅さん」シリーズや
植木等さんの「無責任」シリーズなど
心の底から笑えるコメディ作品って
最近はあまり見受けられませんよね?
これは今の日本全体がなんとなく
どんより沈んでいるからなのでしょうか
昭和を知らない世代としては
ちょっとわからないですね…
吉田正さんは小百合さんの音域に合わせて作曲した!
冒頭で「寒い朝」は小百合さんの歌唱力を考慮して
マヒナスターズと組ませることにした
と書きましたが、作曲者の吉田正さんも
音域の広くない小百合さんに配慮して
小百合さんの歌える範囲で作曲されました
狭い音域だけでもこれだけの
いい曲が書けてしまうのですね!
さすがはプロの作曲家さん!
と思うと同時にシンプルでも
いい音楽は作れるのだということを
教えてくれる楽曲でもありますね
ちなみに吉田正さん自身は
同じ吉永小百合さんの楽曲としては
橋幸夫さんとデュエットして大ヒットした
「いつでも夢を」よりも
「寒い朝」の方が気に入っているのだそう
余談(小百合さんは寒さに強いお方!)
余談になりますが
実際の吉永小百合さんは
寒さにとても強い方なのだそう
寒いロケ地に行っても
スタッフさんや共演者さんは
「寒い、寒い」と言っていても
小百合さんはTシャツ1枚で
平気で過ごしているのだそう
小百合さんと共演したことのある
日活の某女優さんが仰っていました
だから小百合さんは「北」シリーズとかが
似合うのですね
歌手デビュー60周年で坂本冬美さんとコラボ!
最近嬉しいニュースが飛び込んできました
小百合さんの歌手デビュー60周年を記念して
5枚組CDボックスが発売されることになったのですが
そのなかに何と私の好きな坂本冬美さんが歌い
小百合さんが「語り」としてコラボした
収録されているとのこと!
これはフユミスト(という言葉はありませんが笑)
の私としては嬉しい限りです!
ぜひ聴いてみたいです!
コラボのきっかけは2年前に行われた
吉田正さんの生誕100年のコンサートで
出演された冬美さんが歌われた
「夢千代日記」に小百合さんが
いたく感激したことなのだそう
また小百合さんは冬美さんの「夜桜お七」が
お気に入りとのことで
こちらも嬉しいお話です
冬美さんの歌声は深みがあって
魅力的ですもんね
でもまさかあの小百合さんの
心を打つとは驚きましたが
さすがは冬美さんですね!
ということで今回は
この寒い冬にピッタリな
まつわるあれこれの紹介でした
週明けからは大寒波到来も予測されるなか
防寒対策をしっかりとしたうえで
この曲でも聴いて春の到来を待ちませんか?
最後にご本人歌唱の映像を貼って
締めくくりたいと思います
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