昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

戦前は暗い?イメージを覆した曲②「東京ラプソディ」

 

イメチェン戦前歌謡第2弾!

 

さて前回に引き続き

今回も取り上げるのは戦前の「暗い」イメージを

覆した戦前の歌謡曲です!

しかし第2弾にして今回がシリーズ最終回です(笑)

それはもう2曲もお洒落でモダンな

戦前歌謡に触れれば「暗い」イメージはなくなりますから(笑)

 

今回も国民栄誉賞受賞者!

 

さぁ今回取り上げる楽曲は

藤山一郎さんの「東京ラプソディ」です!

 

 

ご存知の方も多いとは思いますが

そうでない若い方もいらっしゃるのではないでしょうか

 

前回紹介した「一杯のコーヒーから」を作曲した

服部良一さんは国民栄誉賞を受賞された

作曲家さんでしたが

「東京ラプソディ」を歌った藤山一郎さんも

実は国民栄誉賞受賞者なのです!

 

かつては歌手の方も受賞されていたのです!

しかし今は…

 

おっとまた愚痴が出そうになりましたね(笑)

歌の話に戻しましょう

 

作曲者も国民栄誉賞受賞者!

 

「東京ラプソディ」は作詞が門田ゆたかさん

作曲は古賀政男さん

実は古賀さんも国民栄誉賞受賞者です!

藤山さんと古賀さんという

栄誉賞受賞者コンビによる楽曲なのです!

すごいですね!

 

おっとまた栄誉賞の話になってしまいました(笑)

でももう愚痴は言わないですよ(笑)

 

耳につくのはテンポの速さ!

 

ではまず曲を聴いていただきましょう

 

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どうでしょうか?

 

曲について書く前に

昭和好きの私としては

動画の映像で映し出される

当時と思しき街並みにも

心魅かれてしまいます

 

さて歌についてですが

昭和、それも戦前だというのに

(発売は1936年(昭和11年))

曲のテンポが速くありませんか?

言葉の数も多いですし

 

昭和歌謡にあまり詳しくなくて

いまいちピンとこないという方のために

同じ古賀政男さん作曲の

「影を慕いて」と聴き比べてみてください

 


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こちらもそこまでゆったりはしていませんが

「東京ラプソディ」の軽快さと比べると

やはり少ししっとりしています

そして私としては以前抱いていた

戦前歌謡のイメージはこの曲のような

物悲しくてちょっと暗い

そんな楽曲でした

 

また私個人的には

「東京ラプソディ」は戦前の「暗い」イメージが

払拭されたというだけでなく

「昭和の歌はテンポがゆったり」というイメージも

同時に覆された楽曲なのです

 

心躍るような軽快さ!横文字も

 

曲調に関して「一杯のコーヒーから」は

洒落たところに加え

どこかロマンディックな味わいがあるように

私は感じましたが

「東京ラプソディ」は先述のテンポのためか

楽しげで心躍るような

ワクワク感に満ちています

 

恋のワクワク感に満ちた歌詞

 

それから歌詞を見てみますと

「一杯のコーヒーから」同様

横文字がたくさん出てきますね

 

歌詞の一部を紹介します

 

花咲き花散る宵も

銀座の柳の下で

待つは君ひとり 君ひとり

逢えば行くティールーム

楽し都 恋の都

夢のパラダイスよ 花の東京

 

銀座でデートの待ち合わせをしているのですね

「楽し都」とか「恋の都」とか

さらに「夢のパラダイス」とまで!

恋のロマンティックさと

ときめきを感じさせる世界観ですね!

 

しかし戦前は恋愛を謳歌できる時代ではなかった

 

しかし戦前はこの歌のように

恋を自由に楽しめる時代ではなく

お見合い結婚が約7割を占め

恋愛結婚は1940年時点でわずか13.4%でした

東洋経済ONLINEを参照)

 

また当時の結婚は「家と家が結びつくもの」

という考えがあったため

「東京ラプソディ」のようなことは

ごく少数の方だけのものだったようです

 

でもこういった当時の結婚事情は

良く知られていますよね

 

しかし世界を見渡してみれば

まだ結婚相手を親同士が決める

そのような国もたくさんありますので

それらの国々が遅れているとか

戦前の結婚の考え、形式が古いとか

そのようなことでは決してありません

 

しかし現代の日本では未婚率が上昇

正規雇用の増加による

男性の収入低下などで

結婚したくてもできない方がたくさんいます

私たち日本人は恋愛、結婚に関して

正しい道を歩んでいるのでしょうか

 

この問題は歌とは関係のない話題なので

今回は省略しますが

結婚、少子化の問題は

いろいろと考える必要があると思います

 

映画化もされている!

 

この曲は映画化もされています

この曲に限らずなのですが

昭和の時代にはヒット曲を映画化する

歌謡映画」なるものがたくさん作られていました

え。あの曲もこの曲も?と

本当にあらゆるヒット曲の映画版があります

歌手の方が本人役でちょこっと出たり

なんてこともよくあることでした

何だか遊び心がありますよね

 

現代は「糸」や「雪の華」など

ヒット曲の映画化は数えるほどしかありませんが

どうしてなのでしょうね

 

しかし残念ながら私は映画「東京ラプソディ」を

まだ見ていないのです

藤山一郎さんも出ていますし

私の好きな戦前の女優さん

千葉早智子さんも出ているので

ぜひとも見たいですね

数年前にDVD化もされたことですし

 

映画をみたら

この見出しの部分に簡単な感想などを

リライトして載せたいと思います

 

後世への影響(オマージュ曲の誕生)

 

さて最後は「東京ラプソディ」の後世への影響

オマージュ曲の誕生についてお話しします

 

1976年には漫才コンビ海原千里・万里による

「大阪ラプソディー」が発売されヒット

 


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テンポなどがどことなく

「東京ラプソディ」に似ていませんか?

メロディはどこか演歌っぽくなっていますが…

と思ったら作曲者はあの坂本冬美さんを育て

初期の冬美さんのシングル曲を

ほぼすべて作曲された猪俣公章さんでした!

どおりで

 

Wikipediaを見ると

「東京ラプソディ」のオマージュ

といった記述は見られませんが

「東京ラプソディ」を意識していることは

間違いないでしょう

 

さらに1989年には山下達郎さんが

「新・東京ラプソディー」なるシングルを

発表しています

(前年に発売されたアルバム

「僕の中の少年」にも収録。名盤です!)

 


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こちらは曲調こそシンセを基調とした

達郎さんらしいサウンドに仕上がっていますが

「昭和初期の文化へのシンパシーを表現してみたい」

Wikipedia参照)と思い書いた曲なのだそう

 

同じくWikipediaには

達郎さんはこの時期

戦前の日本映画のすばらしさに目覚めた

との記載もあります

そう、達郎さんは昔の日本映画もお好きなのです!

 

達郎さんは日本映画の名作の1つに数えられる

山中貞雄監督の「人情紙風船」(1937年)を

「人生の一本」と大絶賛しています

 

www.nikkansports.com

「東京ラプソディ」は昭和歌謡の名曲中の名曲!

 

ここまで書いてきたように

藤山一郎さんの「東京ラプソディ」は

戦前としてはとびきりモダンで斬新な曲で

私のような当時を知らない人間が聴いても

とても新鮮で驚きに満ちた曲で

オマージュ曲まで誕生するほどの

もはや昭和歌謡の名曲中の名曲と言っても

過言ではないでしょう

 

それでは最後に藤山一郎さんが歌唱する

動画を貼っておきます

 


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