- 反戦・反核映画第3弾は「ゴジラ」シリーズ第一作目!
- おおまかなストーリー
- 映画の感想
- ➀後のシリーズ作品の物語の型がすでに完成している!
- ②反核のメッセージを怪獣映画と組み合わせたセンスがすごい
- ③日本がアニメ大国となった要因がわかる気がする
- ④音楽を担当した伊福部昭さんの偉大さを感じる
- ⑤生物学者の娘役・河内桃子さんがキレイ!
- この映画のエピソード
- ➀宝田明さんは自分が「ゴジラ」を演じると勘違い(笑)
- ②映画の宣伝としてゴジラの形のアドバルーンを飛ばした
- ③1960年代に入ってオモチャが発売された
反戦・反核映画第3弾は「ゴジラ」シリーズ第一作目!
近年も製作されている人気シリーズ
「ゴジラ」の第一作目(1954年、
本多猪四郎監督)です!
「ゴジラ」は私が物心ついて
家族で見に行った平成初期には
完全に怪獣映画、娯楽映画でしたが
もともとは怪獣映画でありながら
スタートしたのです
映画通の方からは「そんなの常識だろ?」
古い映画に抵抗のある方からは
「白黒映画なんて見たくない」など
いろいろな声が聞こえてきそうですが
まぁそう仰らずに大目に見てください(笑)
ではどんな物語から世界的人気シリーズは
始まったのでしょうか
おおまかなストーリー
関東の南の海上で船が次々と
原因不明の沈没をしていくという
事件が起こる
やがて大戸島に生存者が
いかだに乗ってやって来る
そのころ島ではどういうわけか
不漁続きだった
島の老人は古くから大戸島に伝わる
伝説の「ゴジラ」が現れたのだという
後日、島は嵐に見舞われ、そして突然
地響きが聞こえ、家屋が倒壊する
その壊れ方が台風によるものとは
まったく異なり、生き物のようなものの
存在も確認された
古生物学学者の山根’(志村喬)らの
調査隊が現地に赴くと
絶滅したはずの三葉虫を発見し
また生き物の足あとからは
放射能が検出された
またそのとき島に巨大な生き物が現れ
頭部だけは確認できた
山根は国会の場で巨大生物は
約200万年前のジュラ紀の生き物で
深い海の洞窟でひっそりと生きていたが
度重なる水爆実験によって現れたとの見解を
放射能の検出などを根拠に発表し
名称は大戸島に昔から伝わる伝説を元に
「ゴジラ」とすると述べた
国はゴジラ退治のために爆撃を開始するが
かえってゴジラを怒らせ
東京の街を破壊しながら口から炎を発し
東京を火の海にして海へ消えていく
爆撃作戦もまったく効果がなかったゴジラに
果たしてどのように立ち向かっていくのか
映画の感想
➀後のシリーズ作品の物語の型がすでに完成している!
何か原因不明な出来事が海で起こり
少しずつゴジラが姿を現し始め
やがて陸に上陸してきてその姿を見せ
炎を吐きながら東京の街を壊していき
武器を使って攻撃をしてもまったく効かず…
という「シン・ゴジラ」(2016)などの後の
シリーズ作品で定番のストーリーの流れ、
型がもうすでに第一作にして完成している
ということに驚かされました
確かにいきなりゴジラがすぐに全貌を
現わしてしまってはつまらなくなりますよね
少しづつわかってくるのがいいと思います
②反核のメッセージを怪獣映画と組み合わせたセンスがすごい
原水爆の開発競争をする人類への
警鐘を鳴らすかのような
メッセージ性のある内容がすばらしいです
核兵器という恐ろしい武器を現在も
いろいろな国が開発して競いあっている
そのような不毛な争いを続けていると
いつか自然からしっぺ返しが来るぞ!
というようなメッセージを怪獣という形で
表現した発想力もすごいと思います
自然の力を甘く見てはいけない
そんなことを考えさせられます
③日本がアニメ大国となった要因がわかる気がする
ゴジラという怪獣を考えたことからは
さまざまなキャラクターを生み出し
いまや日本が世界に誇る輸出産業ともいえる
アニメの大国となった要因がわかるような気がします
ゴジラはその走りのようにも思えます
怪獣とは言ってもそこまで
怖い容貌をしていないですし
怪獣のキャラクターそのものが
魅力的に作られていますからね
④音楽を担当した伊福部昭さんの偉大さを感じる
この映画のテーマ曲も
いかにも怪獣が出てきそうな旋律で
一度聴いたら忘れられないです
私はシリーズ最新作は未見なのですが
「シン・ゴジラ」でも使用されていて
現代でも通用する音楽で
作曲された伊福部昭さんの偉大さを感じます
⑤生物学者の娘役・河内桃子さんがキレイ!
ゴジラだけでなく俳優さんにも
言及しておきましょう
河内桃子さんの品のある美しさに
惚れ惚れしてしまいました(笑)
スラっとした体型がステキで
背の高い宝田明さんと並んでも
見劣りしません
あ、もちろん宝田明さんもカッコいいですよ!
端正なお顔立ちとあの高身長!
男性の私から見ても魅力的です
(本多猪四郎監督(左)の演技指導を受ける河内桃子さん(右))
この映画のエピソード
➀宝田明さんは自分が「ゴジラ」を演じると勘違い(笑)
この映画のエピソードに関しては
某百科事典サイトに詳しく書かれているので
私が書けることなど少ないのですが
紹介できる範囲で紹介します
まず本作で初めて本格的な役をもらった
宝田明さんは「今度は君に主役を
やってもらう」と台本を渡されたとき
「私がそのゴジラになるんですか?」と
勘違いしてしまいました(笑)
しかしプロデューサーの田中友幸さんに
映画の内容について聞かされたとき
内容などを漏らさないようにと言われ
撮影が始まってもなかなかゴジラに
接することができなかったそうです
宝田さんはとにかく本多監督のもとで
自分の演技をすることに集中していました
異例の緘口令が敷かれたりして
「大変な映画に出ることになった」と
身の引き締まるような思いがしたそうですが
ベテランの志村喬さんがフォローしてくれたり
さらには同期入社の河内桃子さんも
助けてくれたそうです
(河内桃子さん、何て優しいのでしょう!)
そして撮影がかなり進んだある日
ついに対面することができました
このときの感想をどう
表現すればいいかわからない
と宝田さんは自著で回想しています
(宝田明著『銀幕に愛をこめて
ぼくはゴジラの同期生』を参照)
(「ゴジラ」完成後の記念撮影)
②映画の宣伝としてゴジラの形のアドバルーンを飛ばした
それを各都市に飛ばしたら
道行く人々が立ち止まり
変わった宣伝方法が当時話題となったそうです
う~ん、出来栄えはいまひとつですが(笑)
宣伝にアドバルーンを作って飛ばすとは
いかに強かったかが伝わってくるような
エピソードですね
③1960年代に入ってオモチャが発売された
1964年に電動リモコンでゴジラが
動くオモチャが発売されました
その後も人形やプラモデルも発売され
現在はバラエティに富んでいる
アニメのキャラクターグッズの
走りのような感じですね
(『ゴジラ&東宝特撮 OFFICIAL MOOK vol.01』を参照)
そしてその60年代発売時のグッズが
ネットでは万単位で売られています
なかには25万円するものも!
すごい値打ちですね!
ちなみに本多猪四郎監督は第一作目で
しているときにはのちに
子どもたちに愛される存在になるとは
想像していなかったそうです
そのほか某百科事典サイトには
エピソードが盛りだくさんなので
さらに詳しく知りたい方はそちらを
ご参照ください
「ゴジラ」第一作目の紹介は
このあたりで終わりとします