昭和寅次郎の昭和レトロブログ

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昭和女優ファイル大映編➀野添ひとみ~可憐な魅力で銀幕を彩った女優~

 

大映では珍しい?キュートな女優さん

 

 

今回の女優さん紹介記事は

松竹と大映で活躍された野添ひとみさんです!

 

大映の女優さんというと

京マチ子さん、山本富士子さん

若尾文子さんといった比較的スケールが大きく

ハリウッド女優さんに負けないオーラを持った

そんな女優さんが目だづような気がしますが

野添さんはそういった女優さんとは

ちょっと違ったキュートな魅力で

観客を魅了した女優さんだと思います

 

それでは早速プロフィールの紹介です

 

野添ひとみプロフィール

 

 

野添ひとみは1937年2月11日

東京市牛込区(現新宿区富久町)生まれ

本名は野添元(もと)

(野添元子と表記するサイトもあるが

戸籍上は「元」で「元子」は

礼儀上の呼び名であったと思われる

墓石にも「元」と刻まれている)

 

jpnculture.net

 

最初は松竹からキャリアがスタート!

 

1952年に中野区立第二中学を卒業

松竹音楽舞踊学校に八期生として入る

同年、原研吉監督に見出され

本名を芸名として松竹映画「うず潮」に

佐田啓二の恋人役として映画デビュー

これは佐田側の希望による抜擢であった

 

1953年には野添ひとみと改名して

小林正樹監督の「まごころ」に出演

胸を病む美少女を演じて可憐な魅力を発揮

 

小林正樹監督「まごころ」)

 

松竹歌劇団を退団し松竹に入社

 

1953年3月に松竹歌劇団を退団し

松竹に入社

以来「きんぴら先生とお嬢さん」(1953年)

「求婚三人娘」「青春前期」(いずれも1954年)

などの明朗青春物や「君の名は」三部作

「君に誓いし」(1954年)や

女の一生」(1955年)などの

メロドラマに出演

 

1955年の独立プロ作品「姉妹」(1955年)では

中原ひとみ演じる活発な妹とは対照的な

お淑やかな姉を好演

 

松竹を退社しフリーに

 

その後は「由紀子」「青銅の基督」(1955年)

などに助演し「体の中を風が吹く」(1957年)

を最後にフリーとなる

 

まず大映増村保造監督「くちづけ」

(1957年)で川口浩と共演

このときから川口との交際が始まる

 

ほかに日活作品「危険な年齢」(1957年)で

津川雅彦、「白い悪魔」(1958年)で

森雅之小林旭と共演した

 

(「白い悪魔」で森雅之さんと)

 

ついに大映と専属契約を結ぶ

 

再び大映映画「地上」(1957年)

「巨人と玩具」(1958年)で

川口浩と共演

 

1958年7月1日についに大映

専属契約を結ぶ

 

以後「不敵な男」「親不孝通り」

(いずれも1958年)など

川口浩との共演を重ねる

 

松竹時代は可憐な魅力を発揮したが

大映移籍後は気性の激しい娘なども

演じるようになり

またコメディ作品などにも出演し

作品の幅が広がる

 

海外にも通じたその美貌

 

1959年には衣笠貞之助監督の「白鷺」で

カンヌ映画祭に出席

これは主演の山本富士子のスケジュールが

合わずに「代役」での出席となった

 

映画祭の会場で2人の男性から

アプローチを受ける

1人はメキシコの映画監督

もう1人はフランソワ・トリュフォー監督の

作品で有名なフランスの俳優

ジャン=ピエール・レオだった

 

当時12歳のレオ少年にとっての

初恋となり花束を貰う

野添は日本から持ってきた扇子や

日傘をレオにプレゼントする

 

川口浩と結婚

 

1960年に川口浩と結婚

その後も女優を続け

「銀座っ子物語」「お嬢さん」(1961年)

閉店時間」「宝石泥棒」(1962年)

などで変わらず川口浩と共演するも

1962年8月に川口浩とともに大映を退社

映画界を引退する

 

(結婚式の披露宴で川口浩と)

 

TVドラマで芸能界にカムバック

 

1967年にTBS「娘たちはいま」で

芸能界に復帰

映画は「夜の縄張り」(1967年)

「喜劇・婚前旅行」(1969年)

「新網走番外地・嵐を呼ぶ知床峠

(1971年)を最後に出演はない

 

TVドラマはTBS「いじわるばあさん」

(1971年)ほか多数に出演

 

競馬評論家としても有名で

フジテレビの競馬中継に

夫婦で出演したこともある

 

舞台は新歌舞伎座の「御存知一心助」

(1968年)などがある

 

しかし1987年に夫・川口浩がガンで死去

翌88年には夫の闘病生活や

過去の思い出などを綴った著書

『浩さん、がんばったね』を上梓

 

だが野添ひとみ自身もガンを患い

1995年5月4日、帰らぬ人となった

まだ58歳という若さであった

 

野添ひとみの魅力

 

私が思う野添ひとみさんの魅力は

芸名の由来となったそのつぶらな瞳

思わず吸い込まれてしまいそうなほど

キュートで魅力的です

 

それから可憐な可愛らしさですね

「しょんべんくさい」などと言われ

子どもっぽく見られていたそうですが

松竹時代は石濱朗さんなどの

若き青春スターと組むとその美少女ぶりが

見事にハマりました

 

その可愛らしい魅力は

大映に移ってからも変わらず

どこか少年っぽさのある

川口浩さんの相手役として

これ以上ないといえるほど

息の合ったコンビぶりを

見せてくれました

 

先述の通り、昭和の女優さん

大映で言えば京マチ子さんや

山本富士子さんのような

スケールの大きなスターとは

また違った魅力で存在感を

見せてくれたと思います

 

若い少女の女優さんと組むときも

相手役として野添ひとみさんは

ピッタリとハマりました

 

中原ひとみさんと姉妹役で共演した

「姉妹」は妹役の中原さんより

姉役の野添さんの方が

実年齢では1つ下だったのです

 

でも中原さんとの姉妹コンビが

ハマったのは野添さんだからこそ

だったと思います

 

野添ひとみさんは松竹映画でも

大映映画でも可憐な魅力を

振りまき続けて銀幕を彩った

そのような女優さんだと思います

 

参照:

 

『日本映画俳優全集・女優編』キネマ旬報社

野添ひとみ『浩さん、がんばったね』