防災の日!上原謙さんの震災体験を紹介
今日9月1日は防災の日
つまり関東大震災の起こった日です
今年で101年が経ちます
私が生まれるはるか昔の出来事ですが
どのような震災だったのか
昭和ブログらしく昭和に活躍した芸能人の
体験を知って学ぼうという主旨の
記事になります
今回取り上げるのは加山雄三さんの父で
2枚目スターとして絶大な人気を誇った
俳優・上原謙さんの体験談です
以下、上原謙さんの著書から
長めに引用します
上原謙さんが体験した関東大震災
突然、駅のガラス戸がガタガタと
大きな音をたてて揺れた
なんだろうと、ガラス戸の方を
振りかえるまもなく、地面が大きく揺れた
私はわけがわからず、白昼夢のなかに
いるような錯覚におそわれた
地面のタテゆれ、それにヨコゆれも加わって
私は立っていられなくなった
目の前に大きな桜の木があり
私はとっさにその幹につかまった
大塚駅からダラダラ坂が続いている
その坂の途中にかなり大きな
材木屋があるが、その材木屋の屋根瓦が
最初はゆっくりと落ちていく
映画用語を使えば
スロー・モーションのような風景である
その瓦が、土煙をあげてバラバラと
地上に崩れ落ちたかと思うと
次の瞬間、家屋に立てかけてあった
多くの材木が、一挙に弧を描くように
倒れたのが見えた
(上原謙著『がんばってます
人生はフルムーン』より引用)
上原謙さん13歳のときの震災体験です
かなりのショッキングな体験だと思うのですが
上原さんは不思議とごく冷静に
この日の体験を綴っています
東日本大震災を思い出せるエピソード
上原謙さんが被災したのは
病気だった父の薬をもらいに
渋谷から大塚まで山手線に乗り
大塚から乗り換える途中でした
その後はひっきりなしに余震が続き
血だらけの人が病院に運ばれる
光景も見たといいます
大塚駅で上原さんは駅員に
「電車は何時ごろ出ますか」
と尋ねたところ
「馬鹿やろう!線路を見てみろ
こんな線路を電車が走れるか」
と怒鳴られたそうです
線路を見てみると
飴のように曲がっていて
枕木はすっ飛んでいたそう
上原さんは道路より線路を歩く方が
安全だと判断して枕木の上を歩き
自宅に着くまで6時間歩いたそうです
幸いにも家は多少傾いていただけで
済みました
これは東日本大震災を思い出させる
エピソードですね
帰宅困難者が続出したあの日
私は被災地にいたわけではなかったので
強い揺れを体験しただけですが
電車は止まり、復旧しそうもなかったので
2時間くらい歩いて帰宅しました
上原さんよりはずっと少ない距離ですが
しかし駅のホームで見た光景は
私の震災体験と上原さんでは
まるで正反対でした
私が見たのは駅にいた人が
「いつになったら(電車が)動くんだよ(怒)」
と駅員さんの胸ぐらを掴みながら
迫っている姿でした
上原さんの場合は駅員さんが
怒鳴っていましたね
このエピソードを考えると
現代は駅員さんに限らず
接客業などで店員さんが
ちょっと低姿勢すぎるのではないか
という気がします
だからお客さんが付けあがってしまい
カスハラの問題が起きてしまう
一因になってしまうのではないか
とも考えられるのではないでしょうか
東日本大震災のときは
駅のホームで「復旧がいつになるか
めどが立っておりません
お急ぎのところ誠に申し訳ございません」
というようなアナウンスが
流れたように記憶しています
電車が発車できないのは
地震のせいであって
鉄道会社には責任は一切ないのに
謝るのはちょっと違う気がします
日本はすぐに謝りすぎるように思います
ちなみに東京都の帰宅困難者の受け入れ態勢は
まだ不十分で19万人分が
不足しているようです
人々の間で生まれた憎悪とデマ
関東大震災によって
横浜の監獄から朝鮮人の囚人が
脱走して日頃の恨みを晴らすために
日本人を殺すというデマが飛びました
(朝鮮人暴動のデマを真実として報じた新聞の号外)
そのときは急いで自警団が組織され
上原さんも自警団に加わり
毎晩指揮刀を持って掘っ立て小屋の
自身番へ出かけたといいます
(朝鮮人暴動のデマにより組織された自警団)
敷かれました
(参謀本部内の関東戒厳司令部)
この朝鮮人が…というデマには
上原さんの身内でも苦い思い出が
あるといいます
同居していた上原さんの従姉には
婚約者がいて、その人は福島県人で
言葉になまりがあって
多くの検問所で竹やりを持った
自警団の人々から
「バビブベボと言ってみろ!」と
という質問を受け、何度も竹やりで
突かれそうになったそうです
朝鮮人はバビブベボという
濁音の発音がうまくできないために
これを発音させて見分けるという
方法がよいということが
流されていたに違いないと
上原さんは推測しています
そして各地で起こった
自警団による朝鮮人と
朝鮮人に間違われた日本人の惨殺は
「いま思い出してもやりきれない」
と上原さんは綴っています
何とも心が痛むエピソードですね…
このような残虐な出来事まではいかなくても
近年でも地震によるデマはありました
熊本地震で動物園からライオンが逃げた
というデマは記憶に新しいですね
またコロナ禍でも「トイレットペーパーが
なくなる」というデマが広がり
店頭で品薄になりましたよね
パソコンやスマホの登場、AIの発達など
人間の心は進化することはなく
何か不安に駆られるとデマを流したり
そのデマを信じ込んだり
何かを買い占めたりという行動に
走ってしまう生き物なのでしょうか
過去の教訓から学び
同じ過ちを繰り返さないように
できたらどれだけいいものかと
考えずにはいられません
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