- 歴史映画第3弾は高倉健さん出演作!
- おおまかなストーリー
- 映画の感想
- ➀過酷な自然環境の前では人間は無力な存在
- ②戦争が生んだ愚かな訓練
- ③撮影スタッフや俳優さんのことが心配になる
- ④昨今の酷暑にもきちんとした対策が必要では?
- この歴史が映画化された意義
- ➀忘れられていた歴史に光を当てた
- この映画のエピソード
- ➀撮影に協力した自衛隊に呆れられた
- ②俳優4人が脱走!
- ③食事が凍った
- ④高倉健さんがタバコをやめた
歴史映画第3弾は高倉健さん出演作!
歴史映画の第3弾は今月没後10年の
命日を迎える俳優・高倉健さんの出演作
「八甲田山」(1977年)を取り上げます!
あれからもう10年も経つんですね!
あの訃報には凍り付いたことを
覚えています
まさかあの健さんが…
というショックも大きかったです
そんな健さんの出演作
「八甲田山」とはどのような
映画なのでしょうか
おおまかなストーリー
いざロシアと闘うときには
極寒の環境に慣れるための
極地訓練が必要ということになり
青森第五連隊と弘前三十一連隊が
それぞれ青森と弘前から出発し
八甲田山で落ち合うという
訓練内容で決まった
しかし真冬の山の環境は
あまりに過酷で
吹雪で前が見えなかったり
途中で向かうべき方向が
分からなくなったり
また持参した食べ物が凍ったり
あまり寒さで命を落とす者も
出てきた
果たして本当に隊員たちは
生きて帰って来られるのか?
映画の感想
➀過酷な自然環境の前では人間は無力な存在
この映画は高倉健さんや
あの大ヒットドラマ「半沢直樹」の
頭取役でお馴染み?の北大路欣也さんなど
さまざまな俳優さんが出演されて
特定の俳優さんにスポットを当てて
物語を進めていくような作り方は
されていません
この映画は俳優さんよりも
過酷な冬の山の風景のインパクトが強く
人間はちっぽけな存在に見えます
実際に寒さで命を落とす隊員が
続々と出てきて過酷な自然の前では
人間は無力な存在であることを
痛感させられます
②戦争が生んだ愚かな訓練
映画を見ているとどうみても無謀
無駄な死者を出している
何と愚かな訓練だろうかと
そんな思いがこみ上げてきます
そしてこのような訓練が
行われることになったきっかけは戦争
戦争とはどうしても尊い命を
あっけなく奪っていくものだなと
感じさせられます
日本史を勉強された方なら
覚えていらっしゃるでしょうが
日清戦争で日本は勝利するも
ロシア・ドイツ・フランスの
三国干渉により遼東半島を返還し
屈辱感を味わった日本は
「臥薪嘗胆」をスローガンに
国力と軍備の拡張をしていきました
(伊藤薫著『生かされなかった
八甲田山の悲劇』を参照)
最近も領土をめぐって某国が
軍備を拡張して侵攻しようと
何やら不穏な動きを見せています
よく戦争は宗教の争いで起こる
などと言われますが
それだけでなく大国が領土を
広げようとしようとすることも
戦争が起こるきっかけになると思います
③撮影スタッフや俳優さんのことが心配になる
映画を見ていると俳優さんが
実際の軍人さんに見えてきて
撮影スタッフさんを含めて
撮影中に何事もなく無事だったのか
心配になってきます
このことについては調べましたので
後述します
④昨今の酷暑にもきちんとした対策が必要では?
この記事を書くにあたって参照した
『生かされなかった八甲田山の悲劇』
を読むとこの軍事訓練は極寒の冬の山を
なめていて、準備不足や事前の
研究不足が明白です
詳しく書くと映画のネタバレに
なってしまうので書けませんが…
昨今の酷暑も命の危険を感じることが
多々ありまして、よく言われる
「こまめな水分補給」や
「冷房を使用するように」といった
対策だけでは太刀打ちできなくなるのでは?
という思いがしました
雪国で雪対策をしているように
ほかの地域も「酷暑対策」を
する必要があると思います
オリンピックや万博に多額のお金が
使えるのならそうしたことに
使うべきではないでしょうか
しかし東京オリンピックの
暑さ対策で打ち出されたのは
江戸時代のような帽子や
打ち水といったトホホな対策でした
これでは「八甲田山」の明治時代から
進歩がありませんね
自然の驚異をなめています
政治家さんたちは高給を
もらっているのですから
もっと抜本的な対策を考えて欲しいです
この歴史が映画化された意義
➀忘れられていた歴史に光を当てた
この映画と原作小説『八甲田山
死の放浪』が世に出たことは
非常に意義のあることだったようです
この軍事訓練は死者を出した
都合の悪い出来事とされ
当時は事実が意図的に隠蔽され
人々から忘れられていたからだそう
この映画が大ヒットした後
関連本も多数出版されて
この出来事が再び世の中で
脚光を浴びることとなったようです
消された真実』を参照)
映画や小説が世の中で果たす役割は
とても大きく、決してバカにできない
ものなのですよね
近年は古文は役に立たないなどと
文学部や文学が軽視される傾向が
ありますが、残念に思います
いまなお人々に愛される宮崎駿監督の
作品「風の谷のナウシカ」は
平安時代の古典文学から着想を得て
作られています
学校で学んで社会に出ても仕事に活かせない
お金にならないものは無駄と
切り捨ててしまったら
宮崎作品などは生み出されなくなって
しまいますよ?
古文は無駄だと簡単に
切り捨てようとする方は
そういったアニメや映画などが
出てこなくてもいいのでしょうかね
私は楽しみが減って
無味乾燥なつまらない世の中に
なると思います
あとは都合の悪いことは隠す
隠蔽体質も日本は変わらないですね…
この映画のエピソード
➀撮影に協力した自衛隊に呆れられた
雪山での撮影にはプロ集団
自衛隊の方々に協力してもらった
そうですが、「映画ってこんなに
大変なんですか」と言われたとか
人口雪崩に使用した火薬量が多く
高額なムービーカメラが使用不能にまで
なったそうです
そりゃそうだよなぁと
映画を見れば一目瞭然です
しかし雪崩のシーンの迫力は圧巻です
CGではないので余計にすごいです
②俳優4人が脱走!
北大路欣也さんの青森歩兵第五連隊組に
参加していた俳優さんが4人脱走し
青森駅で捕まり連れ戻されたそうです
映画を見ればこのようなことが
起こるのも納得です
③食事が凍った
食事は朝、昼、晩、夜食とも雪の中で
定番はカレーライスか握り飯か
豚汁でしたが、どれもご飯が凍っていて
食べるとシャリシャリと音を立てたとか
食べたくないですね…
④高倉健さんがタバコをやめた
過酷な環境での撮影は
生きるのに必死で
健さんはそれまで吸っていた
タバコをきっぱりとやめ
身体も改めて鍛えなおすことに
したそうです
健さんは長い俳優人生の中で
自分を変えた1本と問われれば
この「八甲田山」だと書いています
(エピソードはすべて文藝春秋ムック
『高倉健 1956-2014』を参照)
そのほかにもこの映画は
エピソードが盛りだくさんですから
詳しく知りたい方は某百科事典サイトを
ご覧になってください
というわけで歴史映画シリーズ第3弾の
記事はこれにて終了ですが
歴史映画シリーズもまた一時中断します
次回はまた別のテーマで昭和の
映画を紹介する予定です
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