昭和寅次郎の昭和レトロブログ

昭和を知らない世代による昭和レトロ、昭和芸能のブログです!

企業の一時的な利益よりも日本製品の信用を大事にしよう!昭和の企業倫理映画「生命の冠」

 

今回は単発映画紹介

 

近年は有名企業の不正事件が

後を絶たないですね

 

昨年のBM社や今年に入ってからの

D社やTグループなどの自動車業界の不正

 

そしてつい最近ではBO社の

不正買取問題が起こりましたよね

 

こうした企業の不正に対して

一石を投じる昭和の映画を紹介します

 

今回はシリーズではなく1回限りです

ほかに企業の不正を取り扱った作品が

思いつかなかったのです(泣)

私はそれほど映画通ではないので…

 

近年ですと池井戸潤さん原作の映画などが

そうした問題を描いていますが

ここは昭和ブログですので

あくまでも昭和の作品でいきます

 

今回紹介するのは内田吐夢監督の「生命の冠」

(1936年)という作品です

 

(映画「生命の冠」より、原節子さん(左)と岡譲二(右)さん)

 

昨年に原節子さんについての

記事を書いたときにこの映画について

少し触れました

 

shouwatorajirou.com

 

まだスターになる前の若き日の

原節子さんが岡譲二さんの妹として

ちょこっと出てきます

 

まずはストーリーから

 

おおまかなストーリー

 

舞台は北海道の国後島にある

蟹の缶詰の製造工場

 

有村(岡譲二)は弟の欽二郎とともに

工場を営んでいる

 

しかし例年にない寒さと流氷の影響で

蟹は不良が続き、顧客との契約を

果たせるかどうか危うい状況だった

 

他社の漁船は規則を破って漁を行っており

自社も同じようにすべきだと

弟は主張するが、兄は蟹を獲り過ぎてしまえば

自分たちの生活が脅かされることになると

あくまでも規則に忠実であるべきだと説く

 

そんなときいつものように漁に出ると

1隻の船だけが帰ってこなかった

 

有村は船を出して捜索するも見つからず

のちに船は遭難し、乗組員13人の命が

失われたことがわかる

 

不漁に続く大きな災難・悲劇で

工場の経営も危うい状況となった

 

果たして有村は顧客の注文通りの缶詰を

納めることはできるのか

また工場の経営の行方はどうなるのか

 

映画の感想

国後島の風景に目が行ってしまう

 

この映画は北方領土の1つである島

国後島でロケされているため

映像資料として非常に価値があり

どうしてもその風景に目が行ってしまいました

 

現在はロシアによる支配が続いているため

映画のロケ撮影などとてもできない状態です

 

映画に映る島や海の光景はまさに

"極寒の地"という感じがします

 

船は流氷に阻まれてスムーズに

移動できていないように見えますし

そんな厳しい環境のなかでも蟹漁に励む

人々のたくましさも感じました

 

蟹漁というと一昔前に再ブームが起きた

小林多喜二さんの小説『蟹工船』が

思い出されますが、あのようなブラック労働

ではなく、ごくごく普通に働いています

 

ちなみにこちらの映画の原作は

路傍の石』や『真実一路』で知られる

山本有三さんです

 

とはいってもいまや『路傍の石』を

読んでいる方は少ないでしょうかね…

 

②漁業の乱獲問題について考えさせられる

 

この映画は近年世界的に問題視されている

漁業の乱獲問題、つまり魚などを獲りすぎている

という問題についても考えさせられます

 

下のサイトにあるグラフを見ると

世界の漁獲量が年々増えていることが

一目瞭然です

 

www.wwf.or.jp

 

この映画の蟹漁は網で獲っているのですが

漁で使用できる網の数は規則で決まっていて

でも他社は規則を破ってたくさんの網を

使用して漁を行っており

自社も規則を破るべきだ

そうでないと注文通りに納品ができない!

と弟は訴えるのですが

兄は蟹を獲りすぎてしまっては

自分たちの生活が脅かされると言います

 

確かに規則を破って網の数を増やし

注文通りの漁獲量が得られたとしても

肝心の蟹の数が減ってしまえば

一時しのぎにしかならないですよね

 

日本製品の信用まで考えている兄がすごい!

 

アメリカの会社に納める蟹缶を詰める

作業に入ったとき、兄は社員に缶の中身を

見せてくれと頼みます

 

開けてみると何とごまかし、つまり不正を

働いていたことがわかります

 

兄はアメリカに収めるものだから

日本製品の信用に関わるではないかと言い

社員に缶の詰め直しを命じます

 

自社の信用だけでなく日本製品全体の

信用度まで考えているのには

深い感銘を受けました

 

とすると近年発覚している

自動車業界の不正問題などは

国内に留まらない国際問題でもあると

強い危機感を覚えました

 

北海道ではこの映画の写真展や上映会が行われた!

 

北海道ではやはり北方領土への関心が強いのか

この映画の写真展や上映会が

行われたことがあるそうです

いいですねぇ~

私も行きたかった!

 

私の住む地域では北方領土

沖縄の基地問題などへの関心が

薄いからなぁ…

 

www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp

 

www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp

 

 

上の2つの記事によると

国後島に実際にあった工場で

撮影が行われたそうで

実際に工場で働いていた女工さんや

漁師さんもエキストラとして参加し

撮影の合間には出演者やスタッフと

交流されていたそうですよ

 

ただ残念なのは上映会の様子を映した写真に

若い方の姿が見当たらないことです(泣)

 

私の住む地域でもときどき古い映画が

上映される機会がありますが

同じように若い方は少ないですし

たまに東京遠征して名画座さんに出向いて

古い映画を見に行くこともありますが

東京も同じような感じです(泣)

 

どうしてそんなに古い映画が

敬遠されてしまうのでしょうね

とても残念です

 

(雑誌「新潮45」の付録として初めて「生命の冠」が世に出たときの新聞記事)

 

映画の全体的な感想

 

最後にこの映画の全体的な感想を書いて

記事を締めようと思いますが

1936年という時点ですでに

企業の不正はもちろんのこと

乱獲についても問題提起しているのが

すごいと思いますね

先見の明を感じます

 

各企業さんにはトップの方を含めて

仕事には日本の信用がかかっていることを

ぜひ考えていただき、不正など働かないように

していただきたいと思いますね

 

私自身も誠実に仕事をしたいと思います

私など小さな存在ではありますが

 

ということで昭和の企業倫理映画

この作品限りで終了です

 

次回は夏らしい映画にしようかな