昭和寅次郎の昭和レトロブログ

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昭和女優ファイルフリー編②乙羽信子(最終回)~女優業にも愛する人にも一途だった女性~

 

前回からの続きです

最終回が遅れに遅れました…(汗)

 

shouwatorajirou.com

 

最終回では乙羽信子さんの女優としての

すばらしさと恋に一途に生きた

その生きざまの魅力について

私が感じることを書きます

 

 

乙羽信子さんの魅力(女優さんとして)

 

乙羽信子さんの女優さんとしての魅力

それはまず「百万ドルのえくぼ」

といわれたほどのチャーミングなえくぼが

特徴的な類まれな可愛らしさを

持っているのに、そのアイドルらしさを

売り出されることよりも

実力派の女優になりたいと会社を辞め

新藤兼人監督が設立した低予算の

独立プロダクションの作品に出て

演技を磨く道を選び、その結果

宝塚の殿堂入りを果たすほどの

伝説的女優さんになったこと

このことに尽きると思います

 

映画会社に所属していれば安定した収入

いいギャラが保証されるのに

それを捨ててまで…という行動は

尊敬せざるを得ません

 

そのような行動に出たきっかけは

会社が乙羽さんに企画する映画に

自身が満足できなかったことと

演技がことごとく酷評されたからなのですが

要は安定よりやりがいを重視した

ということになるのですが

これは世間一般の人にも

あることですよね

 

会社の人事異動でまったくの

畑違いの部署に配属された

仕事にやりがいを感じられない

転職しようかどうしようか

といった悩みですとか

 

乙羽さんが入社したてのころは

演技などは求められず

踊ったりニコッと笑って

えくぼを見せるための作品ばかりで

そのような女優になりたかったのではないと

自著『どろんこ半世紀』のなかで

書いています

 

そんなとき回ってきた新藤兼人監督の

「愛妻物語」が転機となって

続いて新藤監督の「原爆の子」に出演し

演技派への道を歩んでいくのですが

大手の映画会社の作品と違って

独立プロでの映画作りはロケ先の

旅館も安く、移動も自動車ではなく

自転車でした

 

しかし監督も俳優もスタッフも

泥まみれになりながら緊張しつつも

ときには笑い合いながら作る

現場の雰囲気に魅せられたそうです

 

それ以降も独立プロ作品と

映画会社の作品に出演しますが

独立プロでは「えくぼのアイドル」の

欠片もない汚れ役にも果敢に挑戦し

演技賞にも恵まれるようになりました

 

そして大ヒットTVドラマ「ありがとう」や

朝ドラ「おしん」の晩年役に抜擢されて

お茶の間にも浸透する女優さんになりました

 

これは乙羽さんの努力の賜物ですよね

 

乙羽信子さんの魅力(女性として)

 

乙羽信子さんの女性としての魅力

それは一途に愛する人への愛を

貫き続き続けてきたこと

これに尽きます

 

乙羽さんが愛した男性は

仕事でも同士だった新藤兼人監督で

好きになった当初は監督には

妻子がいましたが、乙羽さんは

それをわかっていてもどうしても

こみ上げる感情を抑えることができず

監督に思いを告げました

不倫の恋の始まりであると同時に

新藤監督の家庭への自責の念に

駆られるつらい恋の始まりでもありました

 

最近は芸能人の不倫をやたらと

叩く風潮がありますが

好きになった相手がたまたま

家庭を持っていても

好きになってしまった以上

これはどうしようもないのです

 

なかには「ゲス」な不倫もありますが

いつどこでだれを好きになるか

ということはコントロールできません

 

そして恋に落ちることはすなわち

「悩む」ことを伴います

 

本気でだれかを好きになった経験の

ある方ならお分かりだと思います

 

それに不倫は家庭の問題であって

社会問題ではありません

メディアで大々的に報じること自体

疑問ですし、ましてや芸能人が

謝罪することなど理解ができません

 

こちらは何の迷惑も被っていないのに…

家族で話し合って解決する問題でしょう

 

少し話が逸れましたが

乙羽さんが愛した男性は

新藤監督ただ1人で

複数の男性と同時進行で

お付き合いをしていたわけでは

決してありません

 

家庭に迷惑をかけてはいけないと

新藤監督の家に電話をかけることも

することはなく、自制心も

きちんと持っていました

随分と葛藤があったようですよ

 

このような乙羽さんのことを

「汚らわしい」ですとか

「はしたない」と言えるでしょうか

 

のちには2人は結婚して

1995年に乙羽さんが亡くなるまで

公私ともにパートナーとして

二人三脚で歩んできましたが

決して順風満帆ではなく

新藤監督の独立プロが潰れそうな

危機もありましたが

それも乗り越えました

 

何という美しい絆でしょうか

 

こうした演技派女優への挑戦

新藤兼人監督への一途な愛などから

乙羽信子さんという女性は

思いつめたらとことん

行動に出る情熱的な女性

という印象を受けます

 

そしてその行動が自分の気持ちに

とても正直なのです

自分に決して嘘はつかない

このような生き方に尊敬の念を

抱かざるを得ません

 

お正月がつらかった(お正月が苦手な方へ)

 

乙羽さんは新藤監督と結婚する前は

お正月が来るのが毎年嫌だったそうです

 

新藤監督は妻子とお正月の団欒を

しているかと思うとつらくて

泣いてしまったこともあったそう

 

「不倫の恋は孤独」と乙羽さんは

書いています

 

私は不倫の恋をしているわけではないですが

独り者なのでお正月がつらい

という気持ちは痛いほどわかります

 

同様にお正月が苦手という方のために

このエピソードを紹介しました

 

12月に最終回を持ってきたのも

このような理由もあるのですが

それにしても遅くなりすぎましたね…

 

それはともかく今年は

生誕100年を迎えた俳優さんや歌手が

実に多い年でした

 

このブログでは越路吹雪さん

高峰秀子さん、京マチ子さん

淡島千景さんを取り上げましたが

これらの方以外にも

生誕100年の方がいましたが

紹介しきれませんでした…

 

というわけで昭和の俳優さん

女優さんを紹介する記事は

今年はこれにて終了です

 

来年はどんな方を紹介しましょうかねぇ…