- 子ども映画第3弾は女の子たちの映画!
- おおまかなストーリー
- 映画の感想
- ➀教育ママって面倒くさい(笑)
- ②夏休みの時期だというのに涼しげ!
- ③子どもの方が過去を気にせずに仲よくしている
- ④戦前の戦争観がリアルに描かれている
子ども映画第3弾は女の子たちの映画!
小津安二郎監督の「生まれてはみたけれど」
に続く子ども映画第3弾は女の子2人が主役の
成瀬巳喜男監督「まごころ」(1939年)です!
(映画「まごころ」より。入江たか子さん(左)と子役の女の子(右))
以前、「格差映画」として小林正樹監督の
同名映画を紹介しましたが
そちらとは無関係です
小津監督の映画は男の子2人が中心でしたが
今回紹介する成瀬監督の作品は
女の子が中心の内容となっています
小津監督は子ども演出の上手さに
定評がありますが女の子は
あまり使っていないような気がしますね
女の子は苦手だったのかしら?
ということは置いておきまして
本題に入りましょう
おおまかなストーリー
映画の冒頭、2人の女の子が
歩きながら通信簿の話をしている
小学生の富子と信子だ
信子は成績が落ちてしまったことを
気にしている
彼女の母が子どもの成績を
気にしているらしい
案の定、帰宅して通信簿を見せると
母は娘を問い詰めるだけでなく
学校に出向いて担任の先生にどうして
成績が落ちたのかを聞きに行くほど
神経質になっていた
担任との話のなかで母は成績1位の子が
富子という知っている女の子だったため
心が少し動揺する
その夜、母は娘の成績をめぐって
夫と夫婦喧嘩をして
夫が過去に富子という女の子の母親と
結婚の話が合ったことを蒸し返し
喧嘩を寝床で聞いていた信子は
秘密にされていた過去を知ってしまう
翌日信子は夫婦喧嘩で聞いたことを
富子に話すが気にする様子はなく
仲良しぶりは変わらず川で遊んでいた
しかしそのとき信子が足を怪我してしまい
駆け付けた富子の母と信子の父
つまり過去に結婚するかもしれなかった
2人が出会ってしまった
この出来事を知った信子の母は
ますます苛立ちを募らせ
夫婦関係に影響が出る
信子の両親は夫婦仲を修復できるのか
また富子の母は?
映画の感想
➀教育ママって面倒くさい(笑)
ストーリーで触れたように
信子の母は娘の成績をあまりに気にしすぎで
担任の先生に問い詰めるなど
元祖モンスターペアレント?
と思えるような行動を起こして
「教育ママって面倒くさいなぁ」と
思ってしまいました(笑)
小学校の成績なんて
その後の人生に何の影響もないのに
私は小学校から高校までは
自分の得意・不得意を見つける期間で
勉強は受験期は頑張っても
その期間以外はそこそこで
好きなことをしたり
遊んだほうがいいと思っています
子どもが自発的に勉強するのは
すばらしいことだと思いますが
押し付けるのは可哀想な気がします
でもこの映画で先生が生徒の良くない点を
母親に率直に言っているのはいいなと思いました
現代は何でも体罰、虐待となってしまって
先生は窮屈だと思います
私の世代くらいからでしょうか
子どもを誉めて伸ばそうという
教育方針が学校でとられていましたが
効果はないどころか逆効果になっているようです
その証拠に日本の若者は海外と比べて
自己肯定感が低いようです
よくないところはよくないと
私ははっきり言って欲しかったと
思っています
②夏休みの時期だというのに涼しげ!
物語の時期は夏休みだというのに
大人も子ども涼しげで
「暑い」とは一言も発することがありません
「沸騰化時代」のいまとは気温がまるで違い
家には縁側があって風通しがいいのか
冷房もいらなかったのでしょうね
何とも羨ましいですし
日本的な縁側にも憧れてしまいますね~
また子どもたちが川で遊ぶのも
涼しげで羨ましかったです
私の実家の近くにも川はありますが
コンクリートで固められてしまっていて
遊べませんし何の風情もありません
他界した祖父が昔その川で泳いだ
なんて言っていたことを思い出しました
いまの方が娯楽がいっぱいありますが
自然と戯れる遊びは少なくなったのでは?
という気がします
③子どもの方が過去を気にせずに仲よくしている
信子の父と富子の母が
結婚するかもしれなかったという
話を聞いても子どもたちは
あまり気にすることなく
「もし2人が結婚していたら
私でもあなたでもない子が
生まれていたのかもね、あはは」と
笑いあったり実にあっけらかんとしています
一方の大人たちはいつまでも
その過去をひきずって喧嘩をしたり
時間は経過しているのに
心は過去で止まったままで
どうしようもないなぁ
それじゃあいつまでも幸せになれないよと
偉そうなことを思ってしまいました(笑)
④戦前の戦争観がリアルに描かれている
ある日、信子の父のもとに
召集令状が届きます
それに対し娘は「おめでとう」と言います
父の方も「お父さんがんばるよ
敵をやっつけてくるよ」なんて
威勢のいいことを言います
現在の価値観からすると
あり得ないことかもしれませんが
これが当時の本当の光景なのだと思います
お国のために尽くすこと
これが立派な務めだと信じて疑わなかった
ほとんどの日本人がそう信じ込まされ
洗脳されていたのだと思います
現在のドラマや映画では
最初から戦争反対の思想を持っている
そんな人物がよく出てきますが
そのような人は共産党系の
ごく一握りの人だけだったと思います
やはり昔のことを知るには
なるべくその当時に作られたものを
見る方がその時代のことがよくわかる
私はそう思います
ということでちょっと戦時色がありますが
この「まごころ」という映画は
爽やかな後味の残る良作だと思います
次回の子ども映画は男の子にしようか
女の子にしようか、どうしようかなぁ